3分で読める決算書

「投資はしたい!けど決算書は読めない!」という人のために、決算書の概要を3分くらいで読めるようにまとめたブログです。グラフを使って直感的に理解できるように努めます。個人的な銘柄研究の忘備録も兼ねています。リクエスト募集中。

コーチ&ケイト・スペードもとい、タペストリー(ティッカー:TPR)

どうもこんにちは、決算書マンです。

 

みなさんは「タペストリー」という会社を知っていますか?

おそらく、あまり知らないでしょう。

 

ではみなさんは「コーチ」や「ケイト・スペード」という会社を知っていますか?

こう言えば女性の方ならば一定数知っているかと思います。

 

先述の「タペストリー」は「コーチ」が「ケイト・スペード」を買収したのちに社名変更したあとの新しい社名です。

 

この会社もアメリカ市場に上場しているので決算書を見ていきましょう。

 

 

①売上高

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※単位:百万ドル

 

2014年~2017年にかけてはほぼ横ばいですが、2018年はケイト・スペード買収の効果もあってか増収しています。

 

 

②営業利益

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※単位:百万ドル

営業利益はここのところ何だか冴えない感じです。

 

 

③純利益

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※単位:百万ドル

純利益も営業利益と同じく、ここのところは冴えない感じです。

 

 

①~③まとめ

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※単位:百万ドル

 

売上自体は2018年に入って増えているのですが、利益がそれについてきていない印象です。 

 

 

流動比率 

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 200%以上をキープしているので概ねOKでしょう。

 

 

自己資本比率 

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自己資本比率は普通です。

可もなく不可もなく。 

 

 

ROEROA

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あからさまにここ数年で利益効率が下がっていっていることがわかります。

2018年は2014年の半分くらいの利益効率になってしまっています。

何が原因だ?

 

 

⑦営業CF 

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※単位:百万ドル

 

営業CFはほぼ横ばいをキープです。

 

 

⑧実質投資CF

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※単位:百万ドル

2018年はケイト・スペード買収でお金をけっこう使っています。 

 

 

⑨実質FCF

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※単位:百万ドル

 

やっぱりケイト・スペード買収で身の丈を超えてお金を使ったようです。

ただ大きな買収が無ければ投資CFは営業CFの内々に収めてあるので、経営は堅実そうです。

 

 

⑩設備投資比率

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なぜか2016年には設備投資比率が急伸していますが、他の年は設備投資費が営業CFのだいたい20%前後になっており、 製造小売業としてはかなり抑制された水準です。

 

 

まとめると、

 

・売上はだいたい横ばい

・近年では利益は奮わない

・ここ数年で利益効率がどんどん下がってきている

・財務基盤は普通

・設備投資にあまりお金を使わなくて済んでいるのでそれは良い

 

ということになります。

 

コーチはルイ・ヴィトンなどのハイブランドではないですがそれなりのブランド力を持っており、「一過性の流行りもの」ではないような気はします。

ただ「ブランドもの業界全体」を取り巻く環境が近年では変わっていっているのかもしれません。