エスクロー・エージェント・ジャパン(銘柄コード:6093)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
株価が最近ダダ下がりを見せているエスクロー・エージェント・ジャパン(銘柄コード:6093)を取り上げたいと思います。
最初調べた時は「決算内容を悲観して売られたのかな?」と思ったのですが、それは今に始まったことではなく、情報ソースによっては「株主優待の廃止」が売り材料になったと推測しているところもありました。なんじゃそりゃ。
それでは見てみましょう。
★売上高
※単位:千円
売上は概ね右肩上がりです。
★営業利益
※単位:千円
営業利益も堅調な推移を見せています。
★純利益
※単位:千円
純利益もまた然り。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:千円
全体としては成長傾向にあるようです。
★在庫回転日数
※単位:日
2016年に入って在庫がバランスシートから消えるというマジックが起こっています。
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(千円) 右軸:在庫回転日数(日)
うーん、あまり参考になりませんがとりあえずは在庫を持たないビジネスモデルであることは評価出来そうです。
★流動比率
充分過ぎるほどある流動比率。
そして自己資本比率もかなり高い。
財務基盤は超がつくほど強固なようです。
利益効率は4年前と同じ水準に落ち着いたようですが、そもそもROA=15%はとてつもないことです。
★営業CF
※単位:千円
なんとなくイーブンな関係に見える営業CFと純利益。
とりあえず問題はなさそう。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:千円
投資にお金を全然使っていない。
超堅実な経営をしているようです。
★実質FCF
※単位:千円
毎年余裕で自由資金を残せているようです。
★設備投資比率
めちゃくちゃに効率が良いビジネスであることがわかります。
★予想純利益
※単位:千円
※2014年~2018年の営業利益平均成長率:+21.02%
いちおう補足しておくと、第3四半期決算時点では売上は前年同期比でプラスなのですが、営業利益と純利益は前年同期比ー50%で進捗しています。
会社はそれでも通期予想を据え置いているので、達成するには第4四半期に巻き返しが必要となります。
とは言っても売上はあと10億円稼いで、営業利益はあと5億円稼いで、純利益はあと3億円稼げばいいのですが。
「先行投資で販管費が増えたので前年同期比で減益しました。」と会社は説明しているので、何がしかの算段はあるのではと思います。
なかったらただの無計画さんですが。
★予想純利益に基づくPER
※「株価=265円」で計算
※「来期予想」は来期で純利益の成長がストップして、その後は横ばいで変化しない場合を仮定
※「成長率が3年間継続」は今後3年間は純利益が成長するが、その後は成長がストップして横ばいで変化しない場合を仮定
※「成長率が5年間継続」は今後5年間は純利益が成長するが、その後は成長がストップして横ばいで変化しない場合を仮定
※「利益を出し続けている限りは銀行や投資家はお金を貸し続けてくれる」という仮定のもと、借入金の返済義務分は株価のバリュエーションに組み込まないこととする
PERはこんな感じで、成長が5年間継続してもそこまで安くはならないことがわかります。
★成長率を加味した理論利回り
※理論利回り(%)=1÷PER
リターンは年率5~10%くらいを期待するのが現実的ではないでしょうか。
まとめると、
・会社は成長傾向にある
・利益効率は非常に良い
・財務基盤は超がつくほど強固
・設備投資がほとんどいらない&在庫を持たない理想的なビジネスモデル
・経営は非常に堅実な印象
・年率5~10%くらいのリターンを期待するのが現実的(そこまで高成長企業というワケでもないし)
ということになります。
過去の業績はピカピカで、内容は信用に足るものになっています。
唯一の懸念材料が「通期予想を本当に達成できるのか?」ということであり、それが確認出来れば、堅実な投資先なのではないかと思います。
早く通期のCF計算書が見たい。