日本マクドナルドホールディングス(銘柄コード:2702)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
「I'm lovin' it!」な存在、日本マクドナルドホールディングス(銘柄コード:2702)を取り上げたいと思います。
原田前CEOからバトンを受け継いだ女帝カサノバ(こう書くとなんか強そう)率いる現マックですが、どうなっているのでしょうか。
それでは見てみましょう。
★売上高
※単位:百万円
売上は4年前と比べて横ばいです。
2015年までは売上減少に歯止めがかかっていませんでしたが、現在は回復しているようです。
★営業利益
※単位:百万円
ただし営業利益は前よりかは改善しているようです。
同じくらいの売上水準の2013年&2017年と2014年&2016年を比較してみるとその差は歴然。
★純利益
※単位:百万円
そんなこんなで純利益も前より改善しているようです。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:百万円
業績は一旦落ち込みましたが、その後回復&改善を遂げています。
★在庫回転日数
※単位:日
在庫回転日数はほぼ変わっていません。
ごくわずかに速くなっている?
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(百万円) 右軸:在庫回転日数(日)
★流動比率
手元流動性はギリギリ寄り。
自己資本比率は普通。
財務基盤は普通。
純利益の推移に準じています。
★営業CF
※単位:百万円
それまでビジネスが好調だったのにその後純利益が赤転する企業はだいたいは純利益がマイナスでも営業CFはプラスを維持しているケースが多いのですが、マックに関しては2014年~2015年にかけて純利益も営業CFもマイナスなので、本当にヤバかったようです。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:百万円
実質投資CFはほとんど毎年同じ額のようです。
★実質FCF
※単位:百万円
概して自由資金は残せていない模様。
★設備投資比率
参考にならない数値ですが、先も見たとおり設備投資費は毎年あまり変わらないようです。
★予想純利益
※単位:百万円
※2013年~2017年の営業利益平均成長率:+13.18%
平均成長率はこの企業に関してはアテにならないのですが、思考実験として面白いのではと思ったのと計算は出来たので、今回はそのままのっけようと思います。
ちなみに来期は減益予想。
★予想純利益に基づくPER
※「株価=4,800円」で計算
※「来期予想」は来期で純利益の成長がストップして、その後は横ばいで変化しない場合を仮定
※「成長率が3年間継続」は今後3年間は純利益が成長するが、その後は成長がストップして横ばいで変化しない場合を仮定
※「成長率が5年間継続」は今後5年間は純利益が成長するが、その後は成長がストップして横ばいで変化しない場合を仮定
※「利益を出し続けている限りは銀行や投資家はお金を貸し続けてくれる」という仮定のもと、借入金の返済義務分は株価のバリュエーションに組み込まないこととする
うーん、バリュエーションは高めです。
そしてアテにならない成長率が5年間継続したとしてもそこまで安くは見えません。
★成長率を加味した理論利回り
※理論利回り(%)=1÷PER
成長率が3年間継続したものと、5年間継続したものはぶっちゃけアテにならないので、年率3~4%くらいのリターンを期待するのが現実的なように思えます。
まとめると、
・業績は横ばい
・利益効率は改善傾向?
・財務基盤は普通
・2014年~2015年は本当にヤバかった
・設備投資費は毎年一定額かかる(売上が増えてもあまり変わらない?)
・年率3~4%くらいのリターンが現実的。
ということになります。
毎年「株主優待取得」の時期になると出来高が増えやすいこの企業ですが、「優待欲しさに短期間だけ株式を保有する」というのは個人的には愚かな投資判断だと思っています。(それよりもリターンを得てそのお金で買った方が良いのでは?と思います。)
とりあえず最悪期(2014年~2015年)は抜けているようなので、今後どうなってくるのかが気になります。
ただ、この企業よりも優先的にチェックすべき企業は他にあるとは思いますが。