ファースト・リテイリング(銘柄コード:9983)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
日本を代表する名経営者として名高い柳井正氏率いるファースト・リテイリング(銘柄コード:9983)を取り上げたいと思います。
個人的にはユニクロは「衣料メーカー」というよりは「高機能インナーウェアメーカー」のような気がしています。
それでは見てみましょう。
★売上高
※単位:百万円
売上高はグングン伸びています。
まだ成長しているのか。
★営業利益
※単位:百万円
営業利益は2016年に一度落ち込みましたが、概して伸びています。
★純利益
※単位:百万円
純利益もまた然り。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:百万円
全体としてはいまだに成長傾向にあるようです。
★在庫回転日数
※単位:日
在庫回転日数は概ね安定していましたが、2018年に入って少し遅くなっています。
なぜだ?
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(百万円) 右軸:在庫回転日数(日)
2018年は売上は2兆円の大台を超えましたが、在庫回転日数は遅くなっているので何とも言えない感じです。
★流動比率
手元流動性は充分にあるようです。
自己資本比率もそれなりにあります。
財務基盤は中の上と言ったところでしょうか。
パッと見でROEは高まっているように見えますが、ROAは変わっていません。
つまりは自己資本比率マジックです。
ただ利益効率を維持出来ているのは良いと思います。
★営業CF
※単位:百万円
毎年営業CFが純利益を上回っているので、このあたりはバッチリなようです。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:百万円
設備投資費は各年でそこまで変わっておらず、だいたいこのくらいの水準のようです。
そして堅実な経営をしているようです。
★実質FCF
※単位:百万円
自由資金は毎年しっかりと残せています。
★設備投資比率
製造と小売りを一気通貫して行っている企業ですが、稼ぎ出す営業CFと比較してそこまで多額の設備投資費はかかっていないようです。
割と効率は良さげです。
★予想純利益
※単位:百万円
※2014年~2018年の営業利益平均成長率:+16.01%
会社予想は当然のごとく増益予想です。
★予想純利益に基づくPER
※「株価=55,280円」で計算
※「来期予想」は来期で純利益の成長がストップして、その後は横ばいで変化しない場合を仮定
※「成長率が3年間継続」は今後3年間は純利益が成長するが、その後は成長がストップして横ばいで変化しない場合を仮定
※「成長率が5年間継続」は今後5年間は純利益が成長するが、その後は成長がストップして横ばいで変化しない場合を仮定
※「利益を出し続けている限りは銀行や投資家はお金を貸し続けてくれる」という仮定のもと、借入金の返済義務分は株価のバリュエーションに組み込まないこととする
ただどの時点のPERも低くはありません。
★成長率を加味した理論利回り
※理論利回り(%)=1÷PER
だいたい年率3~6%くらいのリターンを期待する方が良さそうです。
高望みは出来そうもありません。
まとめると、
・いまだに成長を続けている
・在庫回転日数はちょっと遅くなっているのが気になる
・財務基盤は中の上
・経営は堅実
・設備投資費はそこまでかかっていない
・年率3~6%くらいのリターンを期待するのが現実的
ということになります。
既に成熟していると思いきや、意外にもまだまだ成長軌道に乗っていたのは驚きでした。
会社の実績は信用に足るものだと思いますが、成長しているからと言ってあまり高望みしない方が良さそうです。