PKSHA Technology(銘柄コード:3993)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
最近話題のAI銘柄の中でも特に人気があるPKSHA Technology(パークシャ・テクノロジー)(銘柄コード:3993)を取り上げたいと思います。
ちなみにトヨタ自動車からも出資を受けているらしいです。
なおこの会社は上場して間もないため(2017年9月)、データは2年分しか取得出来ていません。
そのために今回は割と薄味となっている可能性が高いのですが、ご了承ください。
それでは見てみましょう。
★売上高
※単位:千円
倍々ゲームです。
★営業利益
※単位:千円
倍々ゲーム、とまではギリギリ行かなくてもそれくらいの水準を達成しています。
★純利益
※単位:千円
なお純利益は倍々ゲームの模様。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:千円
わかりやすく成長しています。2年分しかないけど。
とりあえず業績が1年間でおおよそ倍になっています。
★在庫回転日数
※単位:日
もはや見なくてもいいレベルで情報がない。
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(千円) 右軸:在庫回転日数(日)
これも見なくていいです。
とりあえず在庫はいまのところありません。AIなので。
★流動比率
驚くほどに潤沢な手元流動性。
むしろこんなにいるのか?
こちらも驚くほど高い自己資本比率。
財務は何が起きてもビクつかなさそうです。
業績は倍々ゲームで、ROEとROAの数値自体も伸びているのですが、その絶対水準はこのテのハイテク企業にしてはビックリするほど低いです。
ちなみにROE10%はJR東海のそれよりも低いです。
意外と効率はそこまで良くないようです。というか普通。
★営業CF
※単位:千円
なんやらよくわからないグラフになっています。
ひとまずCFを稼げてはいるようです。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:千円
いまのところ過剰な設備投資は行っていないようです。
★実質FCF
※単位:千円
自由資金は残ってはいるようです。
★設備投資比率
そしてこのテのハイテク企業にしては設備投資比率が意外と高いです。
ROE・ROAといい、意外とこの企業には「飛び抜けた効率性」とかは無いようです。
★予想純利益
※単位:千円
※平均成長率とそれに付随する指標はデータ不足のため今回は省略します
ここ2年間は倍々ゲームで来ましたが、来期予想はかなり保守的。
ちなみに売上高・営業利益の来期会社予想はそれぞれ前年比+50%くらいです。
なぜ純利益だけ少ししか増加しないのか?
★予想純利益に基づくPER
※「株価=7,690円」で計算
※「来期予想」は来期で純利益の成長がストップして、その後は横ばいで変化しない場合を仮定
※「利益を出し続けている限りは銀行や投資家はお金を貸し続けてくれる」という仮定のもと、借入金の返済義務分は株価のバリュエーションに組み込まないこととする
そして計算されたPERは165倍です。(16.5倍ではありません)
というか純利益6億円規模の企業が、時価総額1,000億円くらいで評価されているのは何かが行き過ぎている気がしてなりません。
★成長率を加味した理論利回り
※理論利回り(%)=1÷PER
理論利回りは年率0.6%という驚異の低利率。
そこらへんのソフトバンクの社債の方がよっぽど利回りが良いです。
まとめると、
(データは極端に少ないが)
・業績は倍々ゲームで成長している
・財務基盤はスーパー強い
・利益効率は意外と普通
・設備投資費もそれなりにかかる
・いまの株価のバリュエーションは成長率を鑑みても、どう考えても行き過ぎている気がする
ということになります。
「テーマ株」そして「旬の銘柄」ということで時価総額が膨れ上がっていますが、個人的にはそのうち時価総額はしぼんで来ると思うので、いくら人気の銘柄とはいえ深追いは禁物だと思います。
このバリュエーションを正当化出来るような「何か」の確証が掴めていれば話はまた別ですが。