3分で読める決算書

「投資はしたい!けど決算書は読めない!」という人のために、決算書の概要を3分くらいで読めるようにまとめたブログです。グラフを使って直感的に理解できるように努めます。個人的な銘柄研究の忘備録も兼ねています。リクエスト募集中。

サイバーエージェント(銘柄コード:4751)の決算書

どうもこんにちは。決算書マンです。

今回はサイバーエージェント(銘柄コード:4751)を取り上げたいと思います。

Abema TVなどでノリにノッているように見えますが、実際はどうなっているのでしょうか?

それでは見てみましょう。

 

 

★売上高

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※単位:百万円

 

売上高は順調に伸びているようです。

イメージと違わない感じです。

 

 

 

★営業利益

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※単位:百万円

 

順調に伸びていた売上高と比べると、営業利益は伸び悩んでいるようです。

 

 

 

★純利益

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※単位:百万円

純利益にいたっては2017~2018年は大苦戦しています。 

 

 

★売上高&営業利益&純利益

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※単位:百万円

 

事業規模は拡大していますが、利益がそれに追いついていない印象を受けます。

 

 

★在庫回転日数

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※単位:日

 

在庫はあってないようなもののようです。

 

 

★売上高&在庫回転日数

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※左軸:売上高(百万円) 右軸:在庫回転日数(日)

 

あんまり気にする必要が無さそうです。

 

 

流動比率 

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手元流動性は普通。



 

自己資本比率 

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自己資本比率も普通。 

 

 

 

ROEROA

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そして利益効率は悪くなっています。

ただ純利益での大苦戦があるので、この推移は仕方がない気もします。

 

 

★営業CF 

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※単位:百万円

 

直近で大苦戦していた純利益と比べて、営業CFは割と安定して稼いでいるようです。

 

 

 

★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)

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※単位:百万円

 

投資CFはだいたい営業CFの内々に収めているようです。

堅実、とまでは行かないですが適切にコントロールされているようです。

 

 

★実質FCF

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※単位:百万円

 

なんやかんやで自由資金は毎年残せているようです。

 

 

★設備投資比率

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そしてIT企業とは思えないほど高い設備投資比率。

その数値は東電並みに高いです。

Abema TVの影響がけっこう大きいのではないかと思います。

 


 

★予想純利益

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※単位:百万円 

※2014年~2018年の営業利益平均成長率:+7.94%

 

売上高の伸びは目覚ましいものがありましたが、営業利益に関してはそこまで伸びているワケではなく、このくらいの成長率になっています。 

 

 

 

★予想純利益に基づくPER

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※「株価=4,260円」で計算

※「来期予想」は来期で純利益の成長がストップして、その後は横ばいで変化しない場合を仮定

※「成長率が3年間継続」は今後3年間は純利益が成長するが、その後は成長がストップして横ばいで変化しない場合を仮定

※「成長率が5年間継続」は今後5年間は純利益が成長するが、その後は成長がストップして横ばいで変化しない場合を仮定

※「利益を出し続けている限りは銀行や投資家はお金を貸し続けてくれる」という仮定のもと、借入金の返済義務分は株価のバリュエーションに組み込まないこととする

 

そしてバイオ銘柄やAI銘柄と同じくらいのバリュエーションになっています。

5年後でも依然として高いです。

 

 

 

★成長率を加味した理論利回り

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※理論利回り(%)=1÷PER

 

だいたい年率1%前後のリターンを期待した方が良いのでは?という結果になりました。

Abema TVが今後どう化けるかは未知数ですが、現状では全体の業績の足を大いに引っ張っています。

ただAbema TV分の損失を仮に除いたとしても、バリュエーションにお得感は無いような気もします。

 

まとめると、

 

・事業規模は順調に拡大中

・ただし利益は事業規模の拡大についてきておらず、伸び悩んでいる

・財務基盤は普通

・営業CFは割と安定して稼いでいる

・事業維持のために設備投資費が毎年かなりかかっている(ビジネスとしては非効率的)

・現在の株価のバリュエーションはかなり高い

 

ということになります。

 

Abema TVという集客力のある自社メディアを持つことは良いことなのかもしれませんし、会社もハッキリと「これは先行投資です」と言い切っているので今後に期待するのは大いにけっこうだと思います。

ただそれでも「もうちょっと理性的な値付けをされていてもいいんじゃないか?」と思うのと、「そもそもメディア事業ってそんなに儲かるっけ?」とも思います。

なんだか個人的には藤田社長は「ホリエモンのリベンジ」をしようとしているように見えます。やり方は合理的だけど。