オンコリスバイオファーマ(銘柄コード:4588)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
オンコリスバイオファーマ(銘柄コード:4588)を取り上げたいと思います。
いまのところこのブログで取り上げてきたバイオ銘柄の業績は悲惨な内容が多かったですが、今回はどうなのでしょうか?
それでは見てみましょう。
★売上高
※単位:千円
売上高はここ5年間で急速に伸びています。
2013年は118万円しか売上高がなかったのに、2017年には2億円まで増えています。5年間で売上が100倍になるという奇跡。 それでも2億円ですが。
★営業利益
※単位:千円
そして売上高と比例(?)して膨らみ続ける営業赤字。
またしてもイヤな予感が漂います。
★純利益
※単位:千円
営業利益よりもキレイに膨らみ続ける純損失。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:千円
急伸する売上高、そして膨らみ続ける損失。
普通なら潰れてます。
営業CFに望みを託しましょう。
★在庫回転日数
※単位:日
これは見ても意味がないです。
ほんの2年前(2016年)は計算上は900年くらい経たないと在庫が一巡しないというよくわからないことになっていたようです。
2017年には86日になっているけど。
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(千円) 右軸:在庫回転日数(日)
これも見ても意味がない。
★流動比率
他のバイオ銘柄と同じく、手元流動性は抜群にあるようです。
そして自己資本比率もかなり高い。
バイオ銘柄ってそんなに資本市場からの資金調達が容易なのか・・・。
両数値がプラスだったらば素晴らしい企業なのですが、いかんせんマイナスなのでヤバい企業ということになってます。
★営業CF
※単位:千円
キレイに営業CFがマイナスになっています。
そして純損失の額とだいたい同じなので、黒字転換すれば営業CFもプラスになるかもしれません。
世の中には純利益が黒字だけど、その実営業CFはマイナスという企業もあるので。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:千円
投資は毎年きっちり行っているようです。
そりゃそうか。
★実質FCF
※単位:千円
当然の結果となっています。
★設備投資比率
もはや意味がない。
営業CFが黒字じゃないとどの程度の負担率になっているか全くわかりません。
★予想純利益
※単位:千円
※2013年~2017年の営業利益平均成長率:-12.83%
わかりやすく損失が拡大する傾向にあるこの企業ですが、来期の会社予想も「損失が拡大する」ということでした。
★予想純利益に基づくPER
※「株価=1,417円」で計算
※「来期予想」は来期で純利益の成長がストップして、その後は横ばいで変化しない場合を仮定
※「成長率が3年間継続」は今後3年間は純利益が成長するが、その後は成長がストップして横ばいで変化しない場合を仮定
※「成長率が5年間継続」は今後5年間は純利益が成長するが、その後は成長がストップして横ばいで変化しない場合を仮定
PERは当たり前のようにマイナス。
★成長率を加味した理論利回り
※理論利回り(%)=1÷PER
このままの損失拡大傾向が続くのであれば、保有期間が長ければ長いほど損をするという計算になりました。
全然欲しくない。
まとめると、
・売上高は急伸している
・その反面、損失は拡大し続けている
・財務基盤は超強固
・CF計算書はぐちゃぐちゃになっている
・「投資=企業の保有」と考えるのであれば、投資対象からはいの一番に外れる
ということになります。
これまで見てきたバイオ銘柄と同じように今回も悲惨な結果となってしまいました。
ちなみに売上高約2億円に対していまの時価総額は190億円くらいです。
「ガンを切らずに治す」という夢の薬を開発しているそうなので、現在の株価はその「夢」で形成されているのだと思います。
「人道」としては正しいのかもしれませんが、「資本市場」としては正しいのかどうかは私にはまだわかりません。