SUMCO(銘柄コード:3436)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
SUMCO(銘柄コード:3436)を取り上げたいと思います。
★売上高
※単位:百万円
売上は若干のアップダウンがありますが、全体的には上昇傾向のようです。
★営業利益
※単位:百万円
営業利益は2017年に一度落ち込みましたが、その後は大幅にジャンプアップしています。
★純利益
※単位:百万円
純利益もまた然り。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:百万円
2017年に業績が落ち込みましたが、2018年には回復していることから概ね成長傾向にあるようです。
★在庫回転日数
※単位:日
在庫の回転は少し遅くなっているようです。
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(百万円) 右軸:在庫回転日数(日)
2017年は「売上の減少」+「在庫回転日数の遅延」というダブルパンチでしたが、その後は持ち直しているので大丈夫でしょう。
★流動比率
手元流動性の水準は普通ですが、徐々に厚くしているようです。
自己資本比率も普通ですが、徐々に高まっています。
純利益の推移に従ってアップダウンしています。
★営業CF
※単位:百万円
2017年の純利益は前年より大幅に落ち込みましたが、営業CFはそこまで落ち込んでいないことから、会計上の稼ぎは前年よりも大幅に少ないけれども実際にはだいたい例年通り稼げていたようです。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:百万円
なんとなくですが年々投資額が増えている気がします。
★実質FCF
※単位:百万円
割と自由資金は残せているようです。
★設備投資比率
2014年は無視するとして、平均で営業CFの内の40~50%くらいを設備投資費に充てているようです。
それなりにはお金がかかっている。
★株価の推移
※単位:円
※年度末決算発表時の株価を記載
株価は大幅なアップダウンを繰り返しています。
★純利益の推移+来期予想
※単位:百万円
※来期予想は会社予想の数値
来期は大幅な増益予想のようです。
★PERの推移
※来期予想のPERは、株価=1,499円で計算
※年度末決算発表時のPERを記載
PERには全然一貫性がありません。
参考にならない。
★株価とPERの推移
※左軸:株価 右軸:PER
※両方とも年度末決算時のものを記載
純利益の額を見ると2018年よりも来期予想の方が大幅に利益が出るハズですが、株価は逆に大幅に下がっています。
なんじゃこりゃ。
★(おまけ項目①)EV/EBITDA倍率の推移
※来期予想のEV/EBITDA倍率は、株価=1,499円で計算
※年度末決算発表時のEV/EBITDA倍率を記載
※一般的なEV/EBITDA倍率の適正水準は「8~10倍」(それ以下だと割安、それ以上だと割高と見做される)
※EV/EBITDA倍率を使う目的は「国や業態によって税率や減価償却費の水準が違う企業を比較するため」で、EBITDAは実際の利益を示したものではないですが、「いろんな要素を平準化して比較できる」という点では割と役に立ちます。
PERよりもEV/EBITDA倍率の方が一貫性があり、信用出来そうです。
そして来期予想が正しいとするならば、現在のバリュエーションはかなりの割安感があります。
★(おまけ項目②)株価とEV/EBITDA倍率の推移
※左軸:株価 右軸:EV/EBITDA倍率
※両方とも年度末決算時のものを記載
株価の推移に合わせてEV/EBITDA倍率も推移しています。
そりゃそうか。
まとめると、
・会社は成長軌道に乗っているように見える
・財務基盤は徐々に強くなっている
・営業CFは安定して稼いでいる
・徐々に投資に積極的になっている?
・設備投資費はそれなりにかかる
・PERを見てもよくわからない
・EV/EBITDA倍率で見ると現在のバリュエーションには割安感がある
ということになります。
「現在のバリュエーションの割安感」はあくまで「会社予想の数値が信用出来る場合」に限ります。
なのでSUMCOが決算発表の時に「会社予想と違うトンデモない数値を発表する」のが常態化しているようなら、程度にも依りますが現在の割安感はアテにならないです。
ちょっと次の記事から「会社の事前予想値と実績値の乖離」みたいな項目をやれるところはやろうかなと思っています。
あまりにも面倒ならば(あとやっていて「これはやってもあまり意味がない」と思えば)やらないかもしれません。
事前予想の数値が残っていない企業もあるので。