レオパレス21(銘柄コード:8848)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
レオパレス21(銘柄コード:8848)を取り上げたいと思います。
それでは見てみましょう。
★売上高
※単位:百万円
売上高は順調に伸びています。絶好調。
★営業利益
※単位:百万円
営業利益もまた然り。
★純利益
※単位:百万円
純利益もまた然り、と言いたいところですがこちらはアップダウンをしています。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:百万円
概ね業績は順調なようです。
★在庫回転日数
※単位:日
在庫回転日数は遅くはなっていますが、日数が日数だけにそこまで問題ではない感じです。
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(百万円) 右軸:在庫回転日数(日)
売上の伸びの方が先行している感じなので特に問題はなさそう。
★流動比率
手元流動性はギリギリ。
自己資本比率は普通。
財務基盤は普通くらいのようです。
業績は伸びていますが、ROEは下降傾向のようです。
しかしROAはあまり変わっていないので、実質的な利益効率は維持出来ているようです。
★営業CF
※単位:百万円
営業CFもちゃんと稼いでいます。
たいていの不動産会社だと「販売用不動産の仕入れの増加」で営業CFが圧迫されて営業CFそのものがマイナスになることが多いのですが、レオパレスの場合は「マンションを建てるのは他人で、それを借り上げるビジネスモデル」がメインのため、営業CFが圧迫されていないようです。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:百万円
投資は年度によってまちまちなようです。
★設備投資比率
設備投資も年度によってまちまちです。
★株価の推移
※単位:円
※年度末決算発表時の株価を記載
2018年までは株価は概ね順調な推移をしてきていたのですが、例の施工不良問題で現在はドカンと下がっています。
★純利益の推移+来期予想
※単位:百万円
※来期予想は会社予想の数値
例の問題の結果、来期予想は赤字転落です。
ちなみにレオパレスは来期予想をレンジで示しており、今回はその下限(最悪の場合)で来期予想を記載しています。
★PERの推移
※来期予想のPERは、株価=415円で計算
※年度末決算発表時のPERを記載
来期予想PERは赤字なのでバリュエーションもへったくれもないのですが、推移を見ると一般的な尺度では常に「割安」な水準で放置されていたようです。
★株価とPERの推移
※左軸:株価 右軸:PER
※両方とも年度末決算時のものを記載
特にバリュートラップとかはありません。
得てして言えば2018年のPERはそれまでのPERよりも上方に乖離していた、といった感じです。
あくまで結果論ですが。
★EV/EBITDA倍率の推移
※来期予想のEV/EBITDA倍率は、株価=415円で計算
※年度末決算発表時のEV/EBITDA倍率を記載
※一般的なEV/EBITDA倍率の適正水準は「8~10倍」(それ以下だと割安、それ以上だと割高と見做される)
※EV/EBITDA倍率を使う目的は「国や業態によって税率や減価償却費の水準が違う企業を比較するため」で、EBITDAは実際の利益を示したものではないですが、「いろんな要素を平準化して比較できる」という点では割と役に立ちます。
EV/EBITDA倍率も常に割安水準で推移していたことがわかります。
ちなみに来期予想は下限で記載していますが、EBITDAの計算のもととなる営業利益自体は黒字予想です。
ただ、いずれにせよ割安感はありません。
★株価とEV/EBITDA倍率の推移
※左軸:株価 右軸:EV/EBITDA倍率
※両方とも年度末決算時のものを記載
EV/EBITDA倍率の推移を見ると2018年はEV/EBITDA倍率が平均よりも上方乖離している感がそこまでありません。
★営業利益 予想値と実績値の比較
※単位:百万円
※予想値は第二四半期時点での数値
そして営業利益の会社予想はけっこう信用できるようです。
★純利益 予想値と実績値の比較
※単位:百万円
※予想値は第二四半期時点での数値
純利益に至ってはかなり信用できそうです。
まとめると、
・施工不良問題が発覚するまでは業績は割と順調に推移していた
・財務基盤は普通
・利益効率は横ばいで維持
・営業CFはしっかりと稼げている
・設備投資費は年度によってまちまち
・EV/EBITDA倍率で見ると現在のバリュエーションは適正水準
ということになります。
施工不良問題がどの程度尾を引くのかはわかりませんが、少なくとも不動産会社の中ではかなり優秀な部類に入るのではないかと思います。
あとは回復を待つのみ、といった感じです。
回復するかどうかは何とも言えないところですが。