日立製作所(銘柄コード:6501)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
日立製作所(銘柄コード:6501)を取り上げたいと思います。
それでは見てみましょう。
★売上高
※単位:百万円
売上高はなんとなく横ばい。
★営業利益
※単位:百万円
営業利益も横ばいムードですが、2018年に入ってちょっと上がっています。
★純利益
※単位:百万円
純利益は2016年を底としてV字回復しています。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:百万円
なんとも定義し辛い感じですが、2016年~2018年にかけて売上高は減少したものの利益は増えたので良い感じには見えます。
★在庫回転日数
※単位:日
在庫回転日数はそこまで変わっていません。
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(百万円) 右軸:在庫回転日数(日)
あんまり問題はなさそうです。
★流動比率
手元流動性はギリギリの水準です。
意外とお金を持っていない。
自己資本比率は中の下といったところです。
財務基盤は概して中の下くらい。
純利益のV字カーブに従っています。
ただ絶対水準は割と低いので利益効率は良くないようです。
★営業CF
※単位:百万円
純利益はV字カーブでしたが、営業CFはしっかりと稼いでいるようです。
これは良い感じ。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:百万円
ただ毎年投資にけっこうな額を使っているようです。
割と積極的な経営方針のようです。
★設備投資比率
年々設備投資比率は下がっていますが、それでも営業CFの半分以上を設備投資費に充てているようです。
今後どうなってくるか次第ですが、現状事業効率は良いとは言えません。
★株価の推移
※単位:円
※年度末決算発表時の株価を記載
株価は概して横ばい。
★純利益の推移+来期予想
※単位:百万円
※来期予想は会社予想の数値
来期予想はけっこう大幅な減益みたいです。
★PERの推移
※来期予想のPERは、株価=3,471円で計算
※年度末決算発表時のPERを記載
PERの水準はかなり安定しています。
来期予想が正しいとするのであれば現在のバリュエーションはちょっと割高ということになります。
★株価とPERの推移
※左軸:株価 右軸:PER
※両方とも年度末決算時のものを記載
なんとなく納得の両指標の推移です。
★EV/EBITDA倍率の推移
※来期予想のEV/EBITDA倍率は、株価=3,471円で計算
※年度末決算発表時のEV/EBITDA倍率を記載
※一般的なEV/EBITDA倍率の適正水準は「8~10倍」(それ以下だと割安、それ以上だと割高と見做される)
※EV/EBITDA倍率を使う目的は「国や業態によって税率や減価償却費の水準が違う企業を比較するため」で、EBITDAは実際の利益を示したものではないですが、「いろんな要素を平準化して比較できる」という点では割と役に立ちます。
EV/EBITDA倍率も同じようにかなり安定しています。
そして一般的な尺度で見ると「直近5年間はかなりの割安水準で放置され続けている」ということになっています。
そして現在のバリュエーションはPERとは打って変わって、ちょい割安に見えます。
そこまででもないけど。
★株価とEV/EBITDA倍率の推移
※左軸:株価 右軸:EV/EBITDA倍率
※両方とも年度末決算時のものを記載
こちらもなんとなく納得の両指標の推移です。
★営業利益 予想値と実績値の比較
※単位:百万円
※予想値は第二四半期時点での数値
営業利益に関しては信用出来そうです。
★純利益 予想値と実績値の比較
※単位:百万円
※予想値は第二四半期時点での数値
ただし純利益は何とも微妙なところです。
予想純利益の推移が営業CFの実績値の推移に似てる気がします。
まとめると、
・業績は横ばいムード
・財務基盤は「中の下」といった印象
・利益効率は良くない
・事業効率は改善しつつあるものの、現状はまだ良くない
・営業CFはコンスタントに稼いでいる
・毎年投資にけっこうなお金を使っている
・現在のバリュエーションは総じて適正水準に見える
・会社予想は営業利益は信用出来るが、純利益は微妙
ということになります。
設備投資比率の推移から察するに、おそらく事業の構造改革が進んでいるのではないかと思います。
ただ利益効率を見ても事業効率を見ても取り立てて優れた感じはしないので、「異常に安くなった場合」のみ手を出すモチベーションが湧くんじゃないかと思います。