パナソニック(銘柄コード:6752)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
パナソニック(銘柄コード:6752)を取り上げたいと思います。
それでは見てみましょう。
★売上高
※単位:百万円
2017年までは減少傾向でしたが、2018年になって回復しています。
ただ全体的にはそこまで大きくは変わらない。
★営業利益
※単位:百万円
営業利益は逆に2016年までは上がり調子だったようです。
そして2017年はやっぱり落ち込んでいます。
★純利益
※単位:百万円
純利益もまた然りですが、こちらは2018年に入って伸びています。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:百万円
なんとなく横ばいに見える・・・。
★在庫回転日数
※単位:日
在庫の回転は年々ビミョウに遅くなっているようです。
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(百万円) 右軸:在庫回転日数(日)
2014年~2017年までは「売上減少」+「在庫回転日数の遅延」というよろしくない状況でしたが、2018年に入り持ち直しています。
在庫回転日数は遅くなっていますが。
★流動比率
手元流動性は割とギリギリなようです。
自己資本比率は割と低め。
財務基盤は中の下といったところです。
利益効率はなんとなく改善傾向。
★営業CF
※単位:百万円
営業CFはしっかりと稼いでいるようです。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:百万円
年々投資額が増え続け、2017年からは営業CFの額を上回っています。
★実質FCF
※単位:百万円
段々少なくなる自由資金。
★設備投資比率
「M&Aを含めた会社としての投資が増えた」というよりは「事業維持のための設備投資コストが年々すごい勢いで増えた」という方が正しいようです。
ちょっと、というかかなり不安になるレベルの設備投資費の増え方です。
来期以降もこれが続くようならば要注意かもしれません。
★株価の推移
※単位:円
※年度末決算発表時の株価を記載
株価は結果的には5年前と同じくらいの水準に落ち着いています。
★純利益の推移+来期予想
※単位:百万円
※来期予想は会社予想の数値
来期予想は横ばいのようです。
★PERの推移
※来期予想のPERは、株価=1,059円で計算
※年度末決算発表時のPERを記載
来期予想の数値が信用出来るのであれば、過去と比べると現在のバリュエーションは割安感があります。
★株価とPERの推移
※左軸:株価 右軸:PER
※両方とも年度末決算時のものを記載
PERと株価が同じような推移をしています。
★EV/EBITDA倍率の推移
※来期予想のEV/EBITDA倍率は、株価=1,059円で計算
※年度末決算発表時のEV/EBITDA倍率を記載
※一般的なEV/EBITDA倍率の適正水準は「8~10倍」(それ以下だと割安、それ以上だと割高と見做される)
※EV/EBITDA倍率を使う目的は「国や業態によって税率や減価償却費の水準が違う企業を比較するため」で、EBITDAは実際の利益を示したものではないですが、「いろんな要素を平準化して比較できる」という点では割と役に立ちます。
EV/EBITDA倍率で見ると、指標自体はPERよりも一定な感じがありますが、現在のバリュエーションはPERほどの割安感はありません。
というかパナソニックのEV/EBITDA倍率は、直近5年間で常に「一般的に言われている割安水準」だったようです。
★株価とEV/EBITDA倍率の推移
※左軸:株価 右軸:EV/EBITDA倍率
※両方とも年度末決算時のものを記載
これも両方とも同じような推移。
★営業利益 予想値と実績値の比較
※単位:百万円
※予想値は第二四半期時点での数値
さあパナソニックの来期予想は信用出来るのか?
営業利益は信用出来るようです。
目標未達でもマイナス3%くらいなのでもはや誤差の範囲内に思えます。
★純利益 予想値と実績値の比較
※単位:百万円
※予想値は第二四半期時点での数値
純利益を見るとパナソニックの来期予想はけっこう信用出来そうです。
というか保守的に予想を出している可能性すらあります。
まとめると、
・業績は概して横ばい
・財務基盤はどちらかと言うと弱め
・利益効率は改善傾向にある
・事業維持のための設備投資費が年々すごい勢いで増えているのは非常に気になる
・PERで見ると現在のバリュエーションはけっこうな割安感がある
・EV/EBITDA倍率で見ると現在のバリュエーションは割安感はあるもののそこまででもない
ということになります。
設備投資費がめちゃくちゃに増え続けているのが非常に気になるので、投資を考えている人は来期以降の設備投資費を要チェックです。