アンリツ(銘柄コード:6754)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
アンリツ(銘柄コード:6754)を取り上げたいと思います。
それでは見てみましょう。
★売上高
※単位:百万円
売上高はわかりやすく右肩下がりです。
★営業利益
※単位:百万円
営業利益は2018年に歯止めがかかったものの、傾向としてはやはり右肩下がりです。
★純利益
※単位:百万円
純利益もまた然り。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:百万円
業績の悪化が止まらない。
★在庫回転日数
※単位:日
在庫回転日数も若干ですが増えています。
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(百万円) 右軸:在庫回転日数(日)
「売上減少」+「在庫回転日数の遅延」というダブルパンチ。
商売は前ほど上手く行っていないようです。
★流動比率
手元流動性は普通。
自己資本比率は少しだけ高くなっています。
あからさまに利益効率が落ちていっています。
★営業CF
※単位:百万円
営業CFは割と健全に稼いでいますが、減少傾向なのは変わらず。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:百万円
投資は毎年の営業CFの内々に収めてあります。
経営自体は堅実。
★実質FCF
※単位:百万円
なんだかんだ言って自由資金は毎年残せているようです。
★設備投資比率
それなりに設備投資費はかかるようです。
事業効率は普通。
★株価の推移
※単位:円
※年度末決算発表時の株価を記載
業績は下降路線ながら2016年から株価は反発して上昇しています。
そんな特殊な材料あったっけ?
★純利益の推移+来期予想
※単位:百万円
※来期予想は会社予想の数値
来期予想は大幅な増益のようです。
何がどうなったらこの予想が出るんだ?!
★PERの推移
※来期予想のPERは、株価=2,036円で計算
※年度末決算発表時のPERを記載
業績と関係なく株価が先行している感があるので、平均PERの水準が高くなっていますが、来期の大幅な増益を加味しても現在のバリュエーションは安いとは言えないようです。
★株価とPERの推移
※左軸:株価 右軸:PER
※両方とも年度末決算時のものを記載
2014年のPER17倍の時から株価が下がり、2018年のPER63倍の時から株価が上がるという一般的なPER理論では説明がつかない現象が起きています。
★EV/EBITDA倍率の推移
※来期予想のEV/EBITDA倍率は、株価=2,036円で計算
※年度末決算発表時のEV/EBITDA倍率を記載
※一般的なEV/EBITDA倍率の適正水準は「8~10倍」(それ以下だと割安、それ以上だと割高と見做される)
※EV/EBITDA倍率を使う目的は「国や業態によって税率や減価償却費の水準が違う企業を比較するため」で、EBITDAは実際の利益を示したものではないですが、「いろんな要素を平準化して比較できる」という点では割と役に立ちます。
指標の推移自体はPERと同じような感じになっていますが、来期予想と平均とを比べてみた時にこちらの方が割安感のなさ(というか割高感)が際立ちます。
★株価とEV/EBITDA倍率の推移
※左軸:株価 右軸:EV/EBITDA倍率
※両方とも年度末決算時のものを記載
「現在のバリュエーションは、平均と比べると割高感がある!」とは言うものの、現実としては2018年~現在にかけて株価は上がっているので、EV/EBITDA倍率の水準自体が切り上がっている可能性も否定出来なくはないです。
★営業利益 予想値と実績値の比較
※単位:百万円
※予想値は第二四半期時点での数値
そして来期予想は信用出来るのか?
結論を言うと「どちらかと言うと、信用出来ない」ということになると思います。
2016年までは特に酷い有様で、その後は期待を上回ってはいますが、果たしてどうなるのか?
推測としては2016年までは強気予想だったけどあまりに期待を裏切りすぎていたので、2017年から保守的な予想をするようになったのでは、と思います。
★純利益 予想値と実績値の比較
※単位:百万円
※予想値は第二四半期時点での数値
純利益はもっと酷い。
っていうか2017年は一体何なんだ?
まとめると、
・業績は下降傾向が見られる
・商売自体が上手く行っていなかった可能性あり
・財務基盤は普通
・利益効率は年々悪くなっている
・現在のバリュエーションに割安感はない(むしろ割高感がある)
・来期予想はどちらかと言うと信用できない
ということになります。
2017年みたいなポジティブサプライズがあればバリュエーションは多少割安方向に調整されると思いますが、それでも一気に割安水準にはならないと思います。
そもそも直近5年間では期待に応えることよりも裏切ることの方が多かったので、下手したらネガティブサプライズもあり得るので、注意が必要です。