3分で読める決算書

「投資はしたい!けど決算書は読めない!」という人のために、決算書の概要を3分くらいで読めるようにまとめたブログです。グラフを使って直感的に理解できるように努めます。個人的な銘柄研究の忘備録も兼ねています。リクエスト募集中。

ブロードバンドタワー(銘柄コード:3776)の決算書

どうもこんにちは。決算書マンです。

今日はブロードバンドタワー(銘柄コード:3776)の決算書を見てみましょう。

 

 

★売上高

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※単位:千円

 

2017年までは売上高が順調に伸びていましたが、2018年に入って謎の急落をしています。

 

 

★営業利益

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※単位:千円

 

営業利益も2018年に急落していますが、それまでは売上高の伸びとは違いあまり伸びていなかったようです。

 

 

 

★純利益

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※単位:千円

純利益はデコボコ過ぎてよくわからないことになっています。

 

 

 

★売上高&営業利益&純利益

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※単位:千円

 

事業規模の拡大を急いで利益が後回しになっているようです。

 

 

 

★在庫回転日数

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※単位:日

 

在庫回転日数は2018年でもそれまでと変わりはないので、商売自体が上手くいかなくなっているという訳ではなさそうです。

 

 

 

★売上高&在庫回転日数

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※左軸:売上高(千円) 右軸:在庫回転日数(日)

 

特にコメントなし。

 

 

 

流動比率 

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手元流動性は普通くらい。



 

 

 

自己資本比率 

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自己資本比率も普通。

財務基盤は概して普通くらい。
 

 

 

 

ROEROA

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純利益がデコボコなのでそれに従っています。

ただ直近5年間で一番良かった2017年でもその水準はかなり低めです。

利益効率は悪そうです。
 

 

 

★営業CF 

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※単位:千円

 

2017年までは純利益はマイナスの年でもそれを大幅に上回る営業CFを稼ぎ出していましたが、2018年にはついに営業CFさえもマイナス転化しています。

ちなみにこの企業は純利益に対して減価償却費がかなり多いです。

 

 

 

★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)

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※単位:千円

 

毎年けっこうな割合を投資に使っているようです。

 

 

 

★実質FCF

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※単位:千円

 

なので自由資金はあったりなかったり。

 

 

 

★設備投資比率

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2018年は無視するとしても、毎年の設備投資にけっこうなお金がかかるようです。

この観点からも事業の効率はやっぱり悪そうです。

 

 


 

★株価の推移

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※単位:円
※年度末決算発表時の株価を記載

 

上がったり下がったりで、キレイにデコボコしています。

 

 

 

★純利益の推移+来期予想

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※単位:千円

※来期予想は会社予想の数値

 

来期予想は黒字回復ですが、微々たる額。

 

 

 

★PERの推移

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※来期予想のPERは、株価=301円で計算

※年度末決算発表時のPERを記載

 

PERに関しては全く一貫性がないです。

そして現時点の水準はめちゃくちゃ割高に見えます。

 

 

 

★株価とPERの推移

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※左軸:株価 右軸:PER

※両方とも年度末決算時のものを記載

 

株価の変動幅に比べてPERの変動幅が大きいようです。

とりあえず何の参考にもならない。

 

 

 

★(おまけ項目①)EV/EBITDA倍率の推移

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※来期予想のEV/EBITDA倍率は、株価=301円で計算

※年度末決算発表時のEV/EBITDA倍率を記載

※EV(企業価値)=時価総額+有利子負債ー現金同等物

※EBITDA(減価償却前営業利益)=営業利益+減価償却

※一般的なEV/EBITDA倍率の適正水準は「8~10倍」(それ以下だと割安、それ以上だと割高と見做される)

※EV/EBITDA倍率を使う目的は「国や業態によって税率や減価償却費の水準が違う企業を比較するため」で、EBITDAは実際の利益を示したものではないですが、「いろんな要素を平準化して比較できる」という点では割と役に立ちます。

 

ガッタガタだったPERに対してEV/EBITDA倍率は割と安定していて一貫性があるように見えます。

その分現時点のバリュエーションはやっぱりかなりの割高に見えます。

ただし2018年のEV/EBITDA倍率は直近5年間でもかなり高い水準にありましたが、その後の株価は現時点でその時の約1.5倍になっているので、なんとも言えない感じもします。

 

 

 

★(おまけ項目②)株価とEV/EBITDA倍率の推移

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※左軸:株価 右軸:EV/EBITDA倍率
※両方とも年度末決算時のものを記載 

 

2018年に株価とEV/EBITDA倍率がクロスしてしまっているのは株価の下落に比べてEBITDAが大きく減少したからです。

 

 

まとめると、

 

・業績は2017年までは順調に伸びていたが、2018年に入って急ブレーキがかかっている

・おそらく売上拡大路線を歩んだため、本業での利益はさほど伸びていない

・売上は急減少したが、商売自体は変わらず回っている

・財務基盤は普通

・利益効率は悪い

・毎年けっこう投資にお金を使っている

・事業効率は悪い

・今のバリュエーションは割高に見える

 

ということになります。

 

EV/EBITDA倍率の推移を考えるとあんまり買いたくない企業です。