3分で読める決算書

「投資はしたい!けど決算書は読めない!」という人のために、決算書の概要を3分くらいで読めるようにまとめたブログです。グラフを使って直感的に理解できるように努めます。個人的な銘柄研究の忘備録も兼ねています。リクエスト募集中。

ANAP(銘柄コード:3189)の決算書

どうもこんにちは。決算書マンです。

ANAP(銘柄コード:3189)を取り上げたいと思います。

 

それでは見てみましょう。

 

 

★売上高

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※単位:千円

 

売上高は年々減少し続けています。

 

 

 

★営業利益

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※単位:千円

 

しかし営業利益は逆に年々改善しつつあり、直近2年は営業黒字となっています。 

 

 

★純利益

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※単位:千円

 純利益もまた然り。

 

 

★売上高&営業利益&純利益

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※単位:千円

 

売上は減少し続けているものの、最近になって利益が出始めています。

明らかに何かが変わっているようです。

 

 

★在庫回転日数

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※単位:日

 

在庫回転日数は年々速くなってきています。

 

 

★売上高&在庫回転日数

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※左軸:売上高(千円) 右軸:在庫回転日数(日)

 

売上は減少していますが、在庫回転日数は速くなっているのでトントンといったところでしょうか。

 

 

流動比率 

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手元流動性は割とあるようです。


 

 

自己資本比率 

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自己資本比率も普通くらい。

財務基盤は問題なさそうです。

 

 

 

ROEROA

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純利益の推移に従っています。


 

 

★営業CF 

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※単位:千円

 

純利益の黒字転化は2017年からでしたが、営業CFはそれより1年前から黒字転化しています。 

 

 

★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)

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※単位:千円

 

営業CFが黒字転化してからは投資が抑えられているようです。

 

 

★設備投資比率

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2017年~2018年を見ると設備投資費があまりかかっていないことがわかります。

この傾向が続くのならば事業効率は良いことになります。

 

 

 

★株価の推移

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※単位:円
※年度末決算発表時の株価を記載

 

株価は黒字転化を好感してなのか2016年~2017年にかけて約3倍になっています。

その後は軟調

 

 

 

★純利益の推移+来期予想

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※単位:千円

※来期予想は会社予想の数値

 

来期予想は増益のようです。

上手く商売が回り始めたのでしょうか?

 

 

★PERの推移

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※来期予想のPERは、株価=872円で計算

※年度末決算発表時のPERを記載

 

平均は参考にならない数値になっていますが、直近2年間で計算すると平均PERは24倍~25倍くらいになります。

そう考えると来期予想が信用出来るのならば現在のバリュエーションは割安ということになります。

 

 

★株価とPERの推移

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※左軸:株価 右軸:PER

※両方とも年度末決算時のものを記載

 

なんとも言えない感じです。 

 

 

★EV/EBITDA倍率の推移

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※来期予想のEV/EBITDA倍率は、株価=872円で計算

※年度末決算発表時のEV/EBITDA倍率を記載

※EV(企業価値)=時価総額+有利子負債ー現金同等物

※EBITDA(減価償却前営業利益)=営業利益+減価償却

※一般的なEV/EBITDA倍率の適正水準は「8~10倍」(それ以下だと割安、それ以上だと割高と見做される)

※EV/EBITDA倍率を使う目的は「国や業態によって税率や減価償却費の水準が違う企業を比較するため」で、EBITDAは実際の利益を示したものではないですが、「いろんな要素を平準化して比較できる」という点では割と役に立ちます。

 

EV/EBITDA倍率で見ると直近2年間の平均は20倍くらいになるので、現在のバリュエーションはかなり割安に見えます。

 

 

★株価とEV/EBITDA倍率の推移

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※左軸:株価 右軸:EV/EBITDA倍率
※両方とも年度末決算時のものを記載 

 

 

 

★営業利益 予想値と実績値の比較

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※単位:千円

※予想値は第二四半期時点での数値

 

2014年~2016年を見ると全く信用出来ないですが、それ以降はしっかりと予想を上回る数値を出しています。

現時点では何とも言えないですが、来期以降もこの傾向が続くようであれば良い感じです。 

 

 

 

★純利益 予想値と実績値の比較

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※単位:千円
※予想値は第二四半期時点での数値

 

純利益も同じような感じで、やはり来期以降にどうなってくるかだと思います。 

 

 

まとめると、

 

・売上は減少傾向

・利益は出るようになっている(何かが明らかに変わっている)

・利益効率も改善傾向

・財務基盤は普通くらい

・もしかしたら事業効率は良いかもしれない

・来期予想が信用出来るのならば現在のバリュエーションは割安に見える

・来期予想は何とも判断がつき辛い

 

ということになります。

 

数年前にも決算書を見たことがあったのですが、その時の印象は「悪い意味でヤバそうな会社」でした。

理由は上場してからの純利益と営業CFの悪化具合です。

しかし今回改めて見てみると明らかに何かが変わっているような気がしてなりません。

基本的にファッションなどの「流行りもの」に関連した会社は、個人的には投資対象としては全く魅力的に映らないので、この会社もその例に漏れずなのですが、「事業構造の改革」という研究テーマとしては良いサンプルだと思います。