3分で読める決算書

「投資はしたい!けど決算書は読めない!」という人のために、決算書の概要を3分くらいで読めるようにまとめたブログです。グラフを使って直感的に理解できるように努めます。個人的な銘柄研究の忘備録も兼ねています。リクエスト募集中。

バルクホールディングス(銘柄コード:2467)の決算書

どうもこんにちは。決算書マンです。

バルクホールディングス(銘柄コード:2467)を取り上げたいと思います。 

 

それでは見てみましょう。

 

 

★売上高

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※単位:千円

 

2016年をピークとして売り上げは減少傾向です。 

 

 

★営業利益

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※単位:千円

 

営業利益もまた然り。

落差があり過ぎる。

 

 

★純利益

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※単位:千円

純利益はかなりデコボコです。

2018年なんかは営業利益を大幅に上回る純利益を稼いでいます。

持続性はなさそう。

 

 

★売上高&営業利益&純利益

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※単位:千円

 

なんとも言えない感が満載。 

 

 

 

★在庫回転日数

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※単位:日

 

在庫回転日数も全く一貫性がありません。 

 

 

★売上高&在庫回転日数

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※左軸:売上高(千円) 右軸:在庫回転日数(日)

 

よくわからない。

 

 

流動比率 

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手元流動性はフツーにあります。



 

自己資本比率 

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自己資本比率も割と高いです。

財務基盤は全体的には普通くらい。 

 

 

 

ROEROA

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純利益のデコボコに従っています。


 

 

★営業CF 

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※単位:千円

 

2016年までは営業CF>純利益で正常だったのですが、2017年から異常なことになっています。

 

 

 

★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)

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※単位:千円

 

2017年から経営方針をガラっと変えたのか? 

 

 

 

★設備投資比率

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2017年~2018年は営業CFがマイナスなので無視するとして、設備投資費は全然かからないようです。

事業効率は良い。 

 

 

 

★株価の推移

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※単位:円
※年度末決算発表時の株価を記載

 

問題の2017年から株価が異様にジャンプしています。

 

 

 

★純利益の推移+来期予想

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※単位:千円

※来期予想は会社予想の数値

 

来期予想は赤転です。

ちなみにこの会社は業績予想を「これくらい~これくらい」というレンジで出していて

上記の来期予想数値は「会社予想の上限」となっています。

下限は-60,000千円です。 幅があり過ぎて予想の意味がない気がします。

 

 

 

★PERの推移

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※来期予想のPERは、株価=844円で計算

※年度末決算発表時のPERを記載

 

うーん、よくわからないことになっています。 

 

 

 

★株価とPERの推移

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※左軸:株価 右軸:PER

※両方とも年度末決算時のものを記載

 

2017年にPER=171.99倍の時から株価は4倍近くまで上昇しています。 

一般的なバリュエーション評価は使え無さそう。 

 

 

★EV/EBITDA倍率の推移

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※来期予想のEV/EBITDA倍率は、株価=844円で計算

※年度末決算発表時のEV/EBITDA倍率を記載

※EV(企業価値)=時価総額+有利子負債ー現金同等物

※EBITDA(減価償却前営業利益)=営業利益+減価償却

※一般的なEV/EBITDA倍率の適正水準は「8~10倍」(それ以下だと割安、それ以上だと割高と見做される)

※EV/EBITDA倍率を使う目的は「国や業態によって税率や減価償却費の水準が違う企業を比較するため」で、EBITDAは実際の利益を示したものではないですが、「いろんな要素を平準化して比較できる」という点では割と役に立ちます。

 

PERよりも一貫性のある数字が並びますが、2018年のみよくわからないことになっています。

平均と現在とを比べると「ちょい割安」に見えますが、それは2018年の異常値を加味しているので、それを除くとたぶん安くは見えないハズです。 

 

 

 

★株価とEV/EBITDA倍率の推移

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※左軸:株価 右軸:EV/EBITDA倍率
※両方とも年度末決算時のものを記載 

 

PERとは打って変わって2017年のEV/EBITDA倍率=12.22倍の時から株価は4倍になっています。

一般的な適正水準である8~10倍には若干届いていないものの、2017年以前のEV/EBITDA倍率から考えると当時はかなりの割安感があったのではと思います。

あくまで結果論ですが。

 

 

 

★営業利益 予想値と実績値の比較

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※単位:千円

※予想値は第二四半期時点での数値

  

やっぱり2017年からヘンなことになっています。

営業利益は信用出来なさそうです。

 

 

 

★純利益 予想値と実績値の比較

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※単位:千円
※予想値は第二四半期時点での数値

 

純利益も信用出来なさそうです。

業績予想に幅を持たせる意味がよくわかります。 

 

 

まとめると、

 

・売上は減少傾向が見られる

・財務基盤は普通

・2017年から経営方針が変わったとしか思えない各指標

・事業効率は良い

・現在のバリュエーションはPERでは計れないが、EV/EBITDA倍率だとおそらく割高の部類に入る

・会社予想は信用出来ない

 

ということになります。

 

たぶんテクニカル分析村の人たちはこの銘柄を使って一儲け企んでいるのでしょう。

2年で株価4倍だから確かに夢があるように見えます。

一方冷静にファンダメンタルズを見てる人はあまり手を出したくないのではないでしょうか。 

というかEV/EBITDA倍率で見るとやっぱり現在のバリュエーションは割高だと思います。