ミクシィ(銘柄コード:2121)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
ミクシィ(銘柄コード:2121)を取り上げたいと思います。
それでは見てみましょう。
★売上高
※単位:百万円
2014年~2015年にかけて売上高が約10倍になるという異常事態。
そして翌2016年には更に2倍になるという奇跡。
経営陣は笑いが止まらなかったんじゃないかと思います。
ただ2016年をピークとして徐々に売上高は減少しています。
★営業利益
※単位:百万円
営業利益もまた然り。
★純利益
※単位:百万円
純利益もまたまた然り。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:百万円
2016年が「モンストブーム」のピークだったようです。
★在庫回転日数
※単位:日
あまり見ても意味がないですが、この在庫は一体なんだ?
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(百万円) 右軸:在庫回転日数(日)
見なくても大丈夫です。
★流動比率
手元流動性は潤沢です。
自己資本比率もかなり高い。
財務基盤は強固ということになります。
利益効率は2015年をピークとして下がっていますが、ROA=20%は立派。
けども前ほど効率良く稼げなくなっているのも事実。
★営業CF
※単位:百万円
営業CFは割とマトモに稼いでいるようです。
あまり問題は見られず、といった感じです。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:百万円
投資に全然お金を使っていないようです。
自己資本比率といい流動比率といいROEといい、投資でお金を上手く使えないのならともすると株主還元を求められそうです。
★設備投資比率
2014年は営業CFが少なかったので仕方ないですが、それでも設備投資費は営業CFの内々で収めています。
そしてそれ以降を見ると事業効率が滅茶苦茶に良い商売だということがわかります。
★株価の推移
※単位:円
※年度末決算発表時の株価を記載
業績は2016年にピークでしたが、株価はそこから更に伸びて2017年にピークを迎え、そしてズルズルと下がっています。
★純利益の推移+来期予想
※単位:百万円
※来期予想は会社予想の数値
業績の下降傾向に歯止めがかかっていないようです。
アニメ展開もしているようですが、さすがに「モンスト一本足打法」ではそろそろキツくなってきているのではないでしょうか。
★PERの推移
※来期予想のPERは、株価=2,875円で計算
※年度末決算発表時のPERを記載
2014年の影響で平均はよくわからないことになっていますが、その2014年を除いて計算すると平均PERは7~8倍くらいになります。
そういう意味では現在のバリュエーションは安くも高くもない感じに見えます。
★株価とPERの推移
※左軸:株価 右軸:PER
※両方とも年度末決算時のものを記載
2017年~現在にかけて株価は半分くらいになっていますが、純利益も半分くらいになっているので仕方がないと思います。
★EV/EBITDA倍率の推移
※来期予想のEV/EBITDA倍率は、株価=2,875円で計算
※年度末決算発表時のEV/EBITDA倍率を記載
※一般的なEV/EBITDA倍率の適正水準は「8~10倍」(それ以下だと割安、それ以上だと割高と見做される)
※EV/EBITDA倍率を使う目的は「国や業態によって税率や減価償却費の水準が違う企業を比較するため」で、EBITDAは実際の利益を示したものではないですが、「いろんな要素を平準化して比較できる」という点では割と役に立ちます。
ふたたび2014年を除外して計算すると平均EV/EBITDA倍率は3~4倍くらいになります。
そう見ると現在のバリュエーションはけっこうな割安に見えます。
★株価とEV/EBITDA倍率の推移
※左軸:株価 右軸:EV/EBITDA倍率
※両方とも年度末決算時のものを記載
ただ現在のバリュエーションと同程度だった2018年はバリュートラップが発生しているようなので注意は必要だと思います。
★営業利益 予想値と実績値の比較
※単位:百万円
※予想値は第二四半期時点での数値
グラフでは2014年は「-30%」となっていますが、会社予想は営業赤字だったのが実際は営業黒字だったのでこの数字はポジティブです。
つまりは会社予想はいまのところかなり信用出来そうです。
★純利益 予想値と実績値の比較
※単位:百万円
※予想値は第二四半期時点での数値
2014年に関してはこちらも同様に予想の赤字よりも実際はマシだったということになっています。
概ね信用出来そうなのですが、2018年に未達があるので営業利益ほどではない感じです。
まとめると、
・業績は2016年をピークにして下降傾向
・財務基盤は強固
・利益効率の水準自体は高いが、年々悪くなっている
・事業効率は滅茶苦茶に良い
・投資に全然お金を使っていない
・PERで見た現在のバリュエーションはおそらく適正水準
・EV/EBITDA倍率で見た現在のバリュエーションは割安に見えるが、バリュートラップの可能性も否定出来ない
ということになります。
ゲーム業界は過去にもグリーやガンホーなど一発どでかい花火を打ち上げてその後パッとしてない会社がけっこうあります。
そういう意味ではいわゆる「一発屋の芸人さん」と同じように捉えておいた方が良いのではと思います。
一発当てられるだけでもものすごいことだとは思いますが。