3分で読める決算書

「投資はしたい!けど決算書は読めない!」という人のために、決算書の概要を3分くらいで読めるようにまとめたブログです。グラフを使って直感的に理解できるように努めます。個人的な銘柄研究の忘備録も兼ねています。リクエスト募集中。

大日本住友製薬(銘柄コード:4506)の決算書

どうもこんにちは。決算書マンです。

大日本住友製薬(銘柄コード:4506)を取り上げたいと思います。

巷でまことしやかに言われている「サンバイオ・ショック」の煽りを受けて株価は下落していましたが、ただの連想ゲームの可能性はあります。 

それでは見てみましょう。

 

 

★売上高

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※単位:百万円

 

売上は一定をキープしながら2018年に2割くらい伸びています。

 

 

★営業利益

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※単位:百万円

 

 営業利益は2018年には大幅にジャンプアップしています。

 

 

 

★純利益

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※単位:百万円

純利益はなんとなく右肩上がり傾向。 

 

 

★売上高&営業利益&純利益

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※単位:百万円

 

業績はなんとなく伸びている印象。順調ではないけど。

 

 

★在庫回転日数

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※単位:日

 

2018年に入って在庫回転日数が割と速まっています。

 

 

★売上高&在庫回転日数

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※左軸:売上高(百万円) 右軸:在庫回転日数(日)

 

2018年に関しては「売上高増える」+「在庫回転日数速まる」でイイ感じです。

 

 

流動比率 

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手元流動性は普通ですが、傾向としては減少しています。



 

自己資本比率 

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自己資本比率も普通です。

財務基盤は概して普通くらい。 

 

 

 

ROEROA

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利益効率の絶対水準はそこまで高くないですが、改善傾向にはあるようです。
 

 

 

 

★営業CF 

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※単位:百万円

 

概して純利益を大幅に上回る営業CFを稼いでいるようです。

健全。

 

 

 

★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)

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※単位:百万円

 

投資額は年度によってバラツキがあります。 

 

 

★実質FCF

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※単位:百万円

 

2017年は投資にお金を使い過ぎましたが、それ以外は自由資金を残せている模様。

 

 

 

★設備投資比率

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設備投資費は年度によってバラツキがあるようです。 

 

 

 

★株価の推移

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※単位:円
※年度末決算発表時の株価を記載

 

株価はなんとなく上昇傾向。 

 

 

 

★純利益の推移+来期予想

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※単位:百万円

※来期予想は会社予想の数値

 

2018年に急伸した純利益ですが、来期予想は減益です。

ただ2017年よりは稼げるようです。 

 

 

 

★PERの推移

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※来期予想のPERは、株価=2,607円で計算

※年度末決算発表時のPERを記載

 

PERは割と高止まり感があります。

そして来期予想が正しいとするならば、現在のバリュエーションは少なくとも割安感はありません。

 

 

★株価とPERの推移

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※左軸:株価 右軸:PER

※両方とも年度末決算時のものを記載

 

結果論ですが、2018年のPER=13.68倍の時に買っていたら効率良く利益が出ていたようです。

 

 

★EV/EBITDA倍率の推移

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※来期予想のEV/EBITDA倍率は、株価=2,607円で計算

※年度末決算発表時のEV/EBITDA倍率を記載

※EV(企業価値)=時価総額+有利子負債ー現金同等物

※EBITDA(減価償却前営業利益)=営業利益+減価償却

※一般的なEV/EBITDA倍率の適正水準は「8~10倍」(それ以下だと割安、それ以上だと割高と見做される)

※EV/EBITDA倍率を使う目的は「国や業態によって税率や減価償却費の水準が違う企業を比較するため」で、EBITDAは実際の利益を示したものではないですが、「いろんな要素を平準化して比較できる」という点では割と役に立ちます。

 

EV/EBITDA倍率の水準も割と一貫性があるように見えます。

ただ現在のバリュエーションはいずれにせよ割安感はないです。

 

 

 

★株価とEV/EBITDA倍率の推移

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※左軸:株価 右軸:EV/EBITDA倍率
※両方とも年度末決算時のものを記載 

 

こちらでも2018年のEV/EBITDA倍率=6.44倍の時に買っていれば効率良く利益が出ていたことになっています。

あくまで結果論ですが。

 

 

 

★営業利益 予想値と実績値の比較

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※単位:百万円

※予想値は第二四半期時点での数値

 

今回からまた項目を追加して「予想値と実績値の比較」をしてみたいと思います。

理由は会社には「予想を達成してくれる信用出来る会社」と「予想を達成してくれない信用出来ない会社」の2つがあるからです。

つまりは過去の実績として「信用出来る会社」だったらば来期予想は信用出来るものである可能性が高く、逆に「信用出来ない会社」だったらば来期予想はあまり信じない方が良い、ということになります。

とりあえずこの会社は概ね信用出来るようです。

 

 

 

★純利益 予想値と実績値の比較

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※単位:百万円
※予想値は第二四半期時点での数値
 

営業利益では2017年に未達がありましたが、純利益では直近5年間はパーフェクトで目標達成しています。

つまりはこの会社が出す来期予想はけっこう信用出来るものである可能性が高いです。 

だから現在のバリュエーション評価は使っても問題ないように思います。

 

 

まとめると、

 

・業績はなんとなく上昇傾向

・財務基盤は普通

・利益効率は少しずつ改善している

・営業CFはしっかり稼げている模様

・設備投資費は年度によってバラツキがある

・来期予想はけっこう信用出来そう

・現在の株価のバリュエーションに割安感はない

 

ということになります。

 

来期予想がけっこう信用出来そうなことから、おそらく来期は減益になる可能性が高いです。

しかしこの会社はサンバイオと違って黒字企業でしかも規模も全然違います。

なので昨今の株価の下落は「連想ゲーム」である可能性が高いです。

ただ過去と比べると現在のバリュエーションに割安感はないので、単に調整が入っている可能性もありますが。