任天堂(銘柄コード:7974)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
「ジェットコースター銘柄の代名詞」とも言える任天堂(銘柄コード:7974)を取り上げたいと思います。
それでは見てみましょう。
★売上高
※単位:百万円
2017年までは徐々に売上が減少していましたが、2018年になると一気にそれまでの約2倍に伸びています。
★営業利益
※単位:百万円
営業利益の増え方は売上高以上です。
★純利益
※単位:百万円
純利益も増えてはいますが、2017年→2018年のジャンプアップはなく、2017年時点で既にジャンプアップしています。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:百万円
一貫性はありません。
★在庫回転日数
※単位:日
そして在庫回転日数は直近5年で劇的に速まっています。
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(百万円) 右軸:在庫回転日数(日)
2014年~2017年にかけては売上の減少と在庫回転日数の速まりが一致していますが、2018年には在庫回転日数はそのままに売上だけを急激に伸ばすことに成功しています。
何がどうなったらこんなになるんだ。
★流動比率
手元流動性は潤沢なようです。
自己資本比率も非常に高いです。
どっかのバイオベンチャー並みに高い。
お金を貯め込みまくっているようです。
純利益の進捗に合わせて伸びています。
一貫性はありません。
★営業CF
※単位:百万円
営業CFがデコボコ過ぎます。
2017年にいたっては純利益よりも圧倒的に営業CFが少ないですが、2018年には正常になっています。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:百万円
全然投資にお金を使っていないようです。
★実質FCF
※単位:百万円
投資に全然お金を使ってはいませんが、各年で自由資金にバラツキはあります。
★設備投資比率
一定額の設備投資費は必要なようですが、普通に営業CFを稼げているときは、設備投資費に全然お金がかからないようです。
そういう意味では「営業CFがマトモに稼ぎ出せる状態であるならば」という条件付きで、効率が良い事業のようです。
★株価の推移
※単位:円
※年度末決算発表時の株価を記載
概して右肩上がりなようです。
★純利益の推移+来期予想
※単位:百万円
※来期予想は会社予想の数値
来期予想は増益のようです。
けっこうわかりやすい右肩上がり。
★PERの推移
※来期予想のPERは、株価=32,980円で計算
※年度末決算発表時のPERを記載
2014年と2016年はヘンなことになっていますが、それを含めても基本的に任天堂のPERはけっこう高水準を推移しているようです。
こう見ると来期予想のPERはだいぶ低く見えます。
★株価とPERの推移
※左軸:株価 右軸:PER
※両方とも年度末決算時のものを記載
株価は上がっているけど、PERは同じようなところを行ったり来たり。
2017年と2018年の推移なんかを見ると割とわかりやすいんじゃないかと思います。
というか2015年にPERが67倍くらいでしたが、2018年には株価が2倍になっています。
★(おまけ項目①)EV/EBITDA倍率の推移
※来期予想のEV/EBITDA倍率は、株価=32,980円で計算
※年度末決算発表時のEV/EBITDA倍率を記載
※一般的なEV/EBITDA倍率の適正水準は「8~10倍」(それ以下だと割安、それ以上だと割高と見做される)
※EV/EBITDA倍率を使う目的は「国や業態によって税率や減価償却費の水準が違う企業を比較するため」で、EBITDAは実際の利益を示したものではないですが、「いろんな要素を平準化して比較できる」という点では割と役に立ちます。
なんとも言い難い感じです。
そしてEV/EBITDA倍率で見ると今の水準はPERよりも安く見える。
★(おまけ項目②)株価とEV/EBITDA倍率の推移
※左軸:株価 右軸:EV/EBITDA倍率
※両方とも年度末決算時のものを記載
いずれにせよEV/EBITDA倍率も高水準で推移しています。
まとめると、
・業績はここ1年で急伸している
・在庫回転日数も劇的に速くなっている
・財務基盤は強固
・PERとEV/EBITDA倍率は常に高水準で推移している
ということになります。
一つのヒット商品があるかないかで業績と株価がぐわんぐわん揺れ動くので、個人的には「投資対象として」のゲーム企業は好きじゃありません。
ただPERは一般的な割安・割高モデルでは説明出来ないようです。