3分で読める決算書

「投資はしたい!けど決算書は読めない!」という人のために、決算書の概要を3分くらいで読めるようにまとめたブログです。グラフを使って直感的に理解できるように努めます。個人的な銘柄研究の忘備録も兼ねています。リクエスト募集中。

特別企画「有名投資家のポートフォリオを見てみよう~ジョン・ポールソンのポートフォリオ~」

どうもこんにちは。決算書マンです。

今回はリーマンショック時の一連の取引で1兆円以上の利益を挙げて一躍時の人となったジョン・ポールソン率いるポールソン&カンパニーのポートフォリオを見てみましょう。

ちなみにその時のポールソンの年収はおよそ4,000億円だったらしいです。小型の企業だったら何個か買えそうです。

では見ていきましょう。

 

 

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※単位:千ドル

 

1位:アラガン(1,728億円):AGN

2位:シャイアー(1,403億円):SHPG

3位:ヴァリアント・ファーマシューティカルズ(1,348億円):VRX

4位:テバ(1,339億円):TEVA

5位:マイラン(1,232億円):MYL

 

トップ5が全て製薬会社で、さらにその5つだけで全体の半分近くを占めています。

そんなに薬が好きなのかポールソン。

 

 

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※単位:千ドル 

 

1位:マイラン(785億円):MYL

2位:アラガン(746億円):AGN

3位:シャイアー(716億円):SHPG

4位:テバ(577億円):TEVA

5位:SPDRゴールドトラスト(477億円):GLD

 

全体のサイズが1年前よりもかなり減りましたが、相変わらず上位4銘柄は製薬会社です。

唯一ヴァリアントだけが脱落し、代わりにSPDRゴールドトラストがランクインしてきました。

この年のポールソンは「薬と金」がメインの投資対象だったようです。

 

 

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※単位:千ドル

 

1位:SPDRゴールドトラスト(539億円):GLD

2位:マイラン(525億円):MYL

3位:シャイアー(473億円):SHPG

4位:ヴァリアント・ファーマシューティカルズ(433億円):VRX

5位:アラガン(310億円):AGN

 

全体のポジションは更に小さくなっており、金への投資額が一番多くなっています。

そしてテバが脱落し、ヴァリアントがトップ5に復活。

相変わらず「薬と金」。

 

 

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※単位:千ドル

 

1位:ボシュ・ヘルス(旧ヴァリアント・ファーマシューティカルズ)(534億円):BHC

2位:シャイアー(517億円):SHPG

3位:SPDRゴールドトラスト(487億円):GLD

4位:マイラン(421億円):MYL

5位:ディスカバリー・コミュニケーションズ(361億円):DISCK

 

※※※

ディスカバリー・コミュニケーションズ

アメリカのメディア企業。「ディスカバリー・チャンネル」で有名。

※※※

 

最新版です。

名前は変わりましたが、ヴァリアントが1位となっています。

空売り投資家・ポジショントーカーとして有名なシトロン・リサーチのアンドリュー・レフトが「ヴァリアントは不正会計してる可能性が高いから、空売りをオススメする」と言って真正面から槍玉に挙げられていましたが、しぶとく保有し続けているようです。

そして今回はディスカバリー・コミュニケーションズがランクインしており、「薬と金」への偏重傾向は若干やわらいだ形になっています。相変わらず多いけど。

 

 

いかがだったでしょうか。

金融危機の時には「住宅市場及びそれに関わっている企業の崩壊」に集中して賭けていましたが、今はまた随分と違う方針でやっているようです。

というかアラガンはそもそもヴァリアントに買収されそうになって結局別の製薬会社のアクタビス(現アラガン)に買収されたり、それがまたファイザーに買収されかけたけど途中で破談になったり、そしてシャイアーは武田に買収されたりとポールソンは製薬会社の業界再編に思いっきり深く関わっているようです。

なので直近でポールソンが行っている手法は「マクロ投資=製薬業界の再編に関する投資」ということになりそうです。イベント・ドリブンとも言えますが。