3分で読める決算書

「投資はしたい!けど決算書は読めない!」という人のために、決算書の概要を3分くらいで読めるようにまとめたブログです。グラフを使って直感的に理解できるように努めます。個人的な銘柄研究の忘備録も兼ねています。リクエスト募集中。

特別企画「有名投資家のポートフォリオを見てみよう~ジョージ・ソロスのポートフォリオ~」

どうもこんにちは。決算書マンです。

今回は「イングランド銀行を倒した男」として有名な投機家のジョージ・ソロスが率いるソロス・ファンドマネジメントのポートフォリオを見ていきましょう。

前回のバークシャーとは違い、オプションとか債券とか色々と交じり合っているのでなかなか興味深いです。

完璧に余談ですが、個人的には最近のソロスはスターウォーズに出てくるマスター・ヨーダにしか見えません。

では見ていきましょう。

まずは2016年からです。

 

 

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※単位:千ドル

 

1位:アデコアグロ(318億円)

2位:シンクロニー・ファイナンシャル(216億円)

3位:SPDR S&P500 ETF プットオプション(204億円)

4位:ニュアンスコミュニケーション 債券(180億円)

5位:レベル3コミュニケーションズ(173億円)

 

※※※

アデコアグロ(ティッカー:AGRO)

本社がルクセンブルクにある農業会社。南米で色々と作っているらしい。

 

シンクロニー・ファイナンシャル(ティッカー:SYF)

元々はGEのクレジットカード部門がスピンオフして出来た金融持株会社

 

ニュアンスコミュニケーションズ(ティッカー:NUAN)

音声・画像認識ソフトウェアを作っている会社。

 

レベル3コミュニケーションズ

アメリカの情報通信の会社。

※※※

 

だいぶ聞きなじみのない企業が並んでいることと思われます。

そして個別企業には投資をしながらもS&P500のプットオプションを使って全体は下がる方にも賭けていたようです。どちらかというとヘッジのニュアンスが強いと思いますが。

そしてなぜかニュアンスコミュニケーションズの債券が割と多いという謎。

 

 

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※単位:千ドル

 

1位:リバティーブロードバンド(616億円)

2位:iShares Russel 2000 ETF プットオプション(330億円)

3位:JDSユニフェーズ 債券(257億円)

4位:ファイヤーアイ 債券(206億円)

5位:ニュアンスコミュニケーションズ 債券(192億円)

 

※※※

リバティーブロードバンド(ティッカー:LBRDA)

アメリカのケーブルサービス持株会社

 

Russel 2000

アメリカの代表的な小型株の株式指数

 

JDSユニフェーズ

テスト・測定装置と光学製品を提供するアメリカの会社。

 

ファイヤーアイ(ティッカー:FEYE)

ネットワークセキュリティの会社。

※※※

 

ここに来て一気にリバティーブロードバンドが台頭してきました。

そしてS&P500のプットはトップ5からは消えたものの、今度は小型株に関して弱気な見方をしていたことがわかります。

ソロスのポートフォリオは割と柔軟に変化しており、かつIT企業への投資が多いことがわかります。

 

 

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※単位:千ドル

  

1位:リバティーブロードバンド(659億円)

2位:シーザーズエンターテインメント(436億円)

3位:ファイアアイ 債券(193億円)

4位:アルタバ(180億円)

5位:オーバーストック・ドットコム(157億円)

 

※※※

シーザーズエンターテインメント(ティッカー:CZR)

アメリカのカジノリゾート運営会社。

 

アルタバ(ティッカー:AABA)

Yahoo!。現在はインターネット事業をベライゾンに売却したため、ヤフージャパンとアリババの株式を保有する投資会社と化している。

 

オーバーストック・ドットコム(ティッカー:OSTK)

アメリカの大手オンライン小売業者。ビットコインでの支払いが可能らしい。

※※※ 

 

たぶんバフェットであったら買わないであろうアルタバ(元Yahoo!)やオーバーストック・ドットコムを積極的に買っています。

ソロス本人の判断なのかファンドマネージャーの判断なのかわかりませんが、もし前者なのであればソロスの頭は柔軟過ぎます。時代に合わせてる感がすごい。

そしてカジノ会社であるシーザーズ・エンターテインメントがここに来て保有比率2位に踊り出ました。

なおアメリカ市場全体に対する弱気な見方はかなり薄れた模様です。(ショートポジションがどうなっているかはわからないので何とも言えないですが。)

 

 

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※単位:千ドル

 

1位:リバティーブロードバンド(634億円)

2位:VICIプロパティーズ(464億円)

3位:シーザーズエンターテインメント(353億円)

4位:アルタバ(182億円)

5位:ロヴィ 債券(111億円)

 

※※※

VICIプロパティーズ(ティッカー:VICI)

アメリカの不動産投資信託REIT)の会社。

シーザーズ・パレス、ハラーズ・ベガスなどを保有

 

ロヴィ

アメリカの情報通信会社。

※※※ 

 

最後に最新のポートフォリオです。

ソロスは期待値計算が出来ると思うのでカジノは絶対にやらないだろうけど、投資対象としてのカジノ事業は大好きなようです。

VICIとシーザーズエンターテインメントを含めるとポートフォリオの内のかなりの割合を占めることになります。

っていうかソロスって最近は情報通信会社も好きなんだな。

 

いかがでしたでしょうか。

御年88歳のソロスの頭の柔軟さに脱帽です。こんなじいさんになりたい。

というかマトモに調べたことのない企業がけっこうあったので、今後いくつか調べてみようと思います。