東京電力(銘柄コード:9501)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
今日は東京電力(銘柄コード:9501)を取り上げたいと思います。
あの事故から約8年が経ちましたが、現在はどうなっているのでしょうか?
それでは見てみましょう。
★売上高
※単位:百万円
売上高は5兆円以上をキープしていますが、どちらかと言うと減少傾向にあるようです。
★営業利益
※単位:百万円
ただ営業利益は4年前と比べて増加しています。
色々と効率化されているのか?
★純利益
※単位:百万円
純利益はデコボコしています。
なんとも言えない感じですが、少なくとも利益はきっちりと出しているようです。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:百万円
イメージとしてはなんとなく横ばいをキープ出来ている感じです。
★在庫回転日数
※単位:日
在庫回転率はほぼ変わっていませんが、2018年に入って少しだけ速くなっています。
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(百万円) 右軸:在庫回転日数(日)
うーん、横ばいです。
★流動比率
流動比率がどんどん下がっています。
見た感じはヤバいです。
どんどん下がる流動比率に反して徐々に上がっていく自己資本比率。
とりあえず全体では財務基盤は少しずつ改善しているようです。
利益効率は2017年までは悪化の一途でしたが、2018年に入り持ち直しています。
2014年と2018年では自己資本比率が2倍違うのでROEが下がるのは致し方ないですが、ROAはそこまで下がっていないので、そこは注目すべきポイントだと思います。
★営業CF
※単位:百万円
デコボコだった純利益と比べると、営業CFは比較的安定しているように見えます。
常に6,000億円以上は稼げています。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:百万円
設備投資費も割と一定額な印象です。
★実質FCF
※単位:百万円
そして意外と自由資金は毎年コンスタントに残せているようです。
★設備投資比率
対営業CFでの設備投資費は毎年けっこうかかっているようです。
これはもはや「電力会社」という業態上致し方ないとは思いますが、とりあえず効率が良いビジネスではないようです。
というか効率は悪い。
★予想純利益
※単位:百万円
※2014年~2018年の営業利益平均成長率:+10.80%
計算上は平均成長率が「+10.80%」と出ていたので、今回はそれをそのまま使います。
ただし来期は減益予想みたいです。
★予想純利益に基づくPER
※「株価=741円」で計算
※「来期予想」は来期で純利益の成長がストップして、その後は横ばいで変化しない場合を仮定
※「成長率が3年間継続」は今後3年間は純利益が成長するが、その後は成長がストップして横ばいで変化しない場合を仮定
※「成長率が5年間継続」は今後5年間は純利益が成長するが、その後は成長がストップして横ばいで変化しない場合を仮定
※「利益を出し続けている限りは銀行や投資家はお金を貸し続けてくれる」という仮定のもと、借入金の返済義務分は株価のバリュエーションに組み込まないこととする
滅多にお目にかかれない激安なバリュエーションになっています。
なお4年経ったら理論上は投下資金を回収出来てしまう計算なので、5年目以降のPERは算出していません。
★成長率を加味した理論利回り
※理論利回り(%)=1÷PER
減益予想の来期でさえ、理論利回りは驚異の年率21.23%です。
もちろんこの水準の利益を今後も維持出来れば、という条件付きです、
ポイントは「2014年~2015年の純利益に水準に今後戻すことが出来るかどうか」です。
それが出来そうなのであれば、この利回りはあながち間違いではないのではと思います。
まとめると、
・業績はなんとか横ばいをキープ
・財務基盤は少しずつ改善している(けど依然として脆弱)
・利益効率はそこまで悪くなっていない
・営業CFはけっこう安定して稼げている
・設備投資費は毎年けっこうかかる
・もし2014年~2015年の純利益の水準に今後戻すことが出来るのなら、現状の株価は激安に見える
ということになります。
「電力自由化」などの逆風がありながらも意外ときっちり稼いでいた東電。
そして何よりバリュエーションがめちゃくちゃに安い。
たしかに曰くつきの企業ではありますが、今後の展開次第で大化けしそうな気もします。
いずれにせよこの企業に投資をしようと考えている人は業績のチェックは必須だと思います。