3分で読める決算書

「投資はしたい!けど決算書は読めない!」という人のために、決算書の概要を3分くらいで読めるようにまとめたブログです。グラフを使って直感的に理解できるように努めます。個人的な銘柄研究の忘備録も兼ねています。リクエスト募集中。

ソニー(銘柄コード:6758)

どうもこんにちは。決算書マンです。

今回はソニー(銘柄コード:6758)を取り上げたいと思います。

ちょっと前に投資ファンドのサード・ポイントが株式を大量取得して話題になりましたが、その後はどうだったのでしょうか?

それでは見てみましょう。

 

 

★売上高

f:id:prospectus:20190110111457p:plain

※単位:百万円

 

売上高は何とも言えない感じですが、割とコンスタントに稼いでいる印象。

 

 

★営業利益

f:id:prospectus:20190110111508p:plain

※単位:百万円

 

営業利益は急激なジャンプアップを繰り返しています。

ちなみに会社予想の来期営業利益は直近よりちょっと上くらいの水準です。

 

 

★純利益

f:id:prospectus:20190110111520p:plain

※単位:百万円

 

純利益はデコボコすぎてよくわからない。

会社予想の来期純利益は直近から大幅にジャンプアップしています。

 

 

★売上高&営業利益&純利益

f:id:prospectus:20190110111531p:plain

※単位:百万円

 

売上高が1兆円増えれば利益もそりゃ上がるか。 

 

 

 

★在庫回転日数

f:id:prospectus:20190110111543p:plain

※単位:日

 

在庫回転日数はそこまで変わっていないようです。 

 

 

★売上高&在庫回転日数

f:id:prospectus:20190110111554p:plain

※左軸:売上高(百万円) 右軸:在庫回転日数(日)

 

一貫性は見られません。

 

 

流動比率 

f:id:prospectus:20190110111603p:plain


流動比率はかなり微妙です。

利益は出しているので資金調達は可能なのかと思います。



 

自己資本比率 

f:id:prospectus:20190110111613p:plain


自己資本比率は驚くほど低いです。

財務基盤は総じてかなり弱め。 

 

 

 

ROEROA

f:id:prospectus:20190110111622p:plain


うーん、なんとも言えない。

一貫性が無さすぎる。
 

 

 

★営業CF 

f:id:prospectus:20190110111632p:plain

※単位:百万円

 

純利益はデコボコでしたが、営業CFはしっかりと稼いでいるようです。

そして増加傾向。 

 

 

 

★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)

f:id:prospectus:20190110111642p:plain

※単位:百万円

 

各年「営業CF>実質投資CF」となっているので、経営は堅実なようです。 

 

 

★実質FCF

f:id:prospectus:20190110111652p:plain

※単位:百万円

 

なんやかんやで自由資金はけっこう残せているようです。

CF計算書は割と一貫性がある数値が並んでいる印象です。

 

 

★設備投資比率

f:id:prospectus:20190110111703p:plain


普通の製造業並みには設備投資費がかかっているようですが、いずれにせよ使い過ぎていることはないようです。 

 

 

 

★予想純利益

f:id:prospectus:20190110111714p:plain

※単位:百万円 

 

何がどうなって来期予想がジャンプアップしているのか。

とりあえずこの前提で話を進めます。 

 

 

 

 

★予想純利益に基づくPER

f:id:prospectus:20190110114217p:plain 

※「株価=5,250円」で計算

※「来期予想」は来期で純利益の成長がストップして、その後は横ばいで変化しない場合を仮定

 

※「利益を出し続けている限りは銀行や投資家はお金を貸し続けてくれる」という仮定のもと、借入金の返済義務分は株価のバリュエーションに組み込まないこととする

 

過去の営業利益成長率はアテにならないので来期予想のみとします。

PERは割と安く見えます。 

 

 

 

★成長率を加味した理論利回り

f:id:prospectus:20190110114230p:plain 

※理論利回り(%)=1÷PER

 

そして理論利回りは年率10.59%なので、このテの大手企業として悪くない利回りではないでしょうか?

減益しなければという条件付きではありますが。

 

まとめると、

 

・業績はどちらかと言うと上向き気味?

・財務基盤はかなり弱い

キャッシュフローはしっかりと稼いでいる

・経営は堅実そう

・年率10~11%くらいを期待するのが現実的

 

ということになります。

 

 

損益計算書の安定感の無さとCF計算書の抜群の安定感の差が印象的なこの企業。 

そしてサード・ポイントが指摘していたのが「映画部門を分社してIPOさせろ」ということだったのですが、時間があれば「ソニーに対するサード・ポイントの指摘を振り返る~ソニーの事業セグメントについて~」という特別企画を改めてやるかもしれません。