ナイキ(ティッカー:NKE)
どうもこんにちは。決算書マンです。
今回は「エア・ジョーダン」(ちょっと古いか)などでお馴染みのスポーツ衣料メーカーのナイキ (ティッカー:NKE)の決算書を見ていきましょう。
ブルームバーグで「下がった!」とか言って話題になっていましたが実際のところはどんな感じなんでしょうか?
売上高
※単位:百万ドル
売上高は順調に伸びていっています。
営業利益
※単位:百万ドル
営業利益は近年は伸び悩んでいるようです。
純利益
※単位:百万ドル
純利益は2017年までは順調に伸びてきていたのですが、2018年に入って急減しています。
調べたら税金の支払い額が2018年には急増していたので、ここまでの落ち込みになっていたようです。
売上高&営業利益&純利益
※単位:百万ドル
事業規模は拡大していっていますが、利益がイマイチついてきていない印象です。
在庫回転日数
※単位:日
在庫回転日数はアップダウンをしています。
概ねそこまで変わらない感じです。
売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(百万ドル) 右軸:在庫回転日数(日)
売上と在庫回転日数はあまり関連性がなさそうです。
手元流動性は普通にあるようです。
資金繰りは問題なさそう。
自己資本比率は減少傾向にあるようです。
これは主に自社株買いや配当などの株主還元で純利益を吐き出してしまっているからのようです。
2018年に関しては税金負担の急増でROEとROAがともに下がっていますが、それまでは順調に利益効率が良くなってきていたようです。
ちなみに2018年の税金負担額は前年の約4倍になっていました。何かあったのか?
営業CF
※単位:百万ドル
年度によっては営業CFが純利益を下回っています。
そして注目すべきは2018年は純利益が急減したにも関わらず営業CFは前年を大幅に上回っていることです。
調べたら「売掛金の増加(=ツケ払いの増加)」によってCFを生み出していたようです。
そういう意味では財務政策はかなり上手そうです。
実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:百万ドル
設備投資にお金があまりかかっていなさそうです。
実質FCF
※単位:百万ドル
毎年少なくとも約2,000億円の自由資金をコンスタントに残せているようです。
設備投資比率
だいたい30%くらいと言ったところでしょうか。
製造業にしては効率は割と良い方ではないでしょうか。
まとめると、
・事業規模は拡大傾向
・利益は追いついていない
・利益効率は改善傾向
・財務基盤は普通
・たぶん財務担当はやり手
・事業の効率は割と良さげ
ということになります。
来年度の決算で税金がどれくらいになるのかわかりませんが、もし2018年が払い過ぎなのだとしたら基本的には事業も利益効率も成長傾向にあるので、もっと良くなっていく可能性がありそうです。
ただ税金が「今まで払わなさ過ぎた」ということであればちょっと不安が残ります。