ネットフリックス(ティッカー:NFLX)
どうも決算書マンです。
いまや世界の動画配信市場で絶対王者として君臨しているネットフリックスですが、アメリカ市場に上場しています。(割と周知の事実かもしれませんが)
内情はどうなっているのか見ていきましょう。
①売上高
※単位:千ドル
わかりやすく右肩上がりで、毎年の増加率も非常に高いです。
②営業利益
※単位:千ドル
2016年度まではアップダウンを繰り返していましたが、2017年度になって急激に伸びています。
③純利益
※単位:千ドル
純利益も2017年度に入って急激に伸びています。
①~③まとめ
※単位:千ドル
概して急成長しているようです。
④流動比率
流動比率は普通くらいですが、特に問題は無さそうです。
自己資本比率はけっこう低めで、何ならば年々下がっていっているようです。
2016年度には20%を割っています。
利益効率は傾向としては何とも言えない感じです。
⑦営業CF
※単位:千ドル
売上・営業利益・純利益では急成長しているように見えたこの会社ですが、営業CFは何かの見間違えじゃないかと思うほど惨憺たる結果になっています。
というか売上が増えるに従って営業CFのマイナス幅が広がっているように思えます。
⑧実質投資CF
※単位:千ドル
そして年々増え続ける投資CF。
⑨実質FCF
※単位:千ドル
営業CFと投資CFを合わせたら何だかとんでもないことになっていました。
ここには書いてないですが、事実財務CFで毎年借り入れをしており、お金が借りられなくなったら資金繰りに行き詰まる感が存分に漂っています。
⑩設備投資比率
前提を言っておくと2013~2014年度は営業CFがプラスですが、2015~2017年度は営業CFはそもそもマイナスです。
なのでグラフのパッと見は2015~2017年度は「設備投資少ないじゃん!」となりますが、逆で「そもそも営業CFがだから意味をなさない。理想を言えば設備投資するな。」ということになります。
いずれにせよ2013~2014年度も営業CFを大幅に超過した設備投資をしているので、かなり危なさそうに見えます。
まとめると、
・業績自体は急成長しているように見える
・財務基盤はかなり弱め
・ROEとROAは連動している(借金による「ROEのお化粧」がない)
・売上拡大に合わせて営業CFのマイナス幅も拡大している
・かなりの借金依存体質
・基本的に設備投資もガンガン行っている
・超がつくほど攻めた経営
ということになります。
つまりは企業としては「純利益はプラスだから、資金繰りさえ行き詰まらなければ大丈夫。そして世の中はお金を貸してくれるだろう。だからガンガン攻めた経営をしよう。」といった感じなのだと思います。
「お金を借りられる前提」でけっこう綱渡りな経営している印象を強く受けます。
とは言え企業の成長フェーズ的にも顧客維持的にもこういったことは必要なのかもしれません。
けど個人的にはかなり危ないと思いますし、ハッキリ言って好みの経営手法ではありません。