ZOZO(銘柄コード:3092)
どうもこんにちは。決算書マンです。
今回はZOZO TOWNでお馴染みのZOZO(銘柄コード:3092)を取り上げたいと思います。前の会社名のスタートトゥデイよりかは今の会社名の方がわかりやすい。
最近何かと話題で物議を醸しだしがちな前澤社長ですが、その実自分のお金を使って世界に向けた宣伝をしているという戦略家だと個人的には思っています。
ただ、宇宙には行きたくないです。乗り物酔いしそうだし。
それはさておき、そんな前澤社長率いるZOZOの実態はどうなっているのでしょうか?
では見ていきましょう。
★売上高
※単位:百万円
あからさまに成長していっており、特にここ3年間の伸びは顕著です。
★営業利益
※単位:百万円
営業利益も売上と同様に伸びています。
★純利益
※単位:百万円
純利益もまた然り。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:百万円
何をどう見てもグングン成長しているようです。
なんでこんなに伸びてるんだ?お茶の間をお騒がせした結果、それが認知度向上につながっているのか?
★在庫回転日数
※単位:日
業績は順調に伸びていますが、在庫回転日数も遅くなっています。
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(百万円) 右軸:在庫回転日数(日)
在庫回転日数は伸びていますが、2016年と2018年を比べると在庫回転日数はだいたい同じくらいに保ちながらも売上が大きく伸びていることがわかります。
そういう意味では商売は絶好調と言えそうです。
なんでだ?
★流動比率
手元の資金繰りは問題さなそうです。
自己資本比率もフツーの水準を保っています。
ただ最新四半期ではなぜかいきなり大量の自社株買いを行った結果、自己資本比率がガクっと下がっています。
まあ、銀行や投資家はいくらでもお金を貸してくれそうだけれども。
利益効率も良くなっているようです。
特筆すべきはその絶対値の水準。
ROE=50%は異常な高利益率なのですが、それより何よりROA=30%は化け物です。
ただでさえROE=20%を超えるのに四苦八苦している企業が多い中、ROAですらその水準を軽々超えてくるのはとてつもないことです。
前澤社長が万能感を感じていそうなのも納得の数値。誰も文句言えない。
★営業CF
※単位:百万円
ただし、営業CFは純利益と比べてそこまで大きくないようです。
けどまあ十分な数値です。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:百万円
全然お金を使っていないことがわかります。
社長のお金使いは激しそうなイメージですが、会社のお金使いは質素倹約そのもの。
★実質FCF
※単位:百万円
毎年コンスタントに自由資金を残せています。
★設備投資比率
設備投資費は使っても営業CFの25%くらいしか使わずに済んでいます。
そして2015~2017年の数値はこれまた素晴らしい。
★株価とEV版株価
※単位:円
※EV版株価=株価+(一株あたり有利子負債ー一株あたり現金同等物)
借金を足してもほとんど変わらないようです。
★PER
※単位:倍
※PER=株価÷一株あたり予想純利益(EPS)
株価とEV版株価の乖離があまりなかったので、PERもあまり差がありません。
そしてPERの水準も割と現実的な数値です。
★株価利回り
※単位:%
※株価利回り=1÷PER
理論利回りはざっくりと5%くらいのようです。
選択肢としては「銀行に預けるか?それとも前澤社長に預けるか?」ということになります。
あくまで「来年度の純利益の水準が今後も続く」という前提で出した理論利回りなので、このままの成長ペースが続けば利回りはもっと高くなっていくので、それは計算する人の考え方次第です。
具体的には「いつまでこの高成長が続くのか?」ということを考えるのが良いかと思われます。
個人的には「少なくともあと5年くらいは成長が続くだろう」と思うので、そういう意味では年率5%~10%くらいでは回りそうな気がします。
ただ「来年には倍になっている」とかは考えない方が良さそうです。
まとめると、
・明らかに成長している
・おまけに利益効率も良くなってきている
・というかそもそもの利益効率がありえないほどの異常な高さを誇る
・設備投資費が全然いらない超効率的なビジネス
・投資するなら「年率5%~10%」くらいのリターンを期待するのが現実的
ということになります。
優良企業の全ての要素が詰まっていると言っても過言ではない、日本屈指の超優良企業であることがわかりました。
前澤社長もすごいと思うけど、財務担当者のコントロールの仕方もすごいと思います。
今後もZOZOがインフラとして機能するのか?そして成長を維持出来るのか?という点が投資を考える上で重要な思考ポイントとなってきそうです。