3分で読める決算書

「投資はしたい!けど決算書は読めない!」という人のために、決算書の概要を3分くらいで読めるようにまとめたブログです。グラフを使って直感的に理解できるように努めます。個人的な銘柄研究の忘備録も兼ねています。リクエスト募集中。

カルバン・クライン&トミー・ヒルフィガー、もといPVHコーポレーション(ティッカー:PVH)

どうもこんにちは。決算書マンです。

PVHコーポレーション、と聞いてピンと来る人は相当なツウだと思います。

いちおう説明しておくと 「カルバン・クライン」や「トミー・ヒルフィガー」などの服飾ブランドを保有している企業です。

当たり前のごとくアメリカ市場に上場しているので、見ていきたいと思います。

 

 

売上高

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※単位:百万ドル

 

 2018年に入り伸びていますが、それまではなんとなく横ばいな感じです。

 

 

営業利益

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※単位:百万ドル

 

営業利益は2017年までは順調に伸びていたのですが、2018年に入って少し数字を落としています。

 

 

純利益

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※単位:百万ドル

 

純利益は2016年までは結構な勢いで伸びていて、その後は横ばいのようです。

 

 

売上高&営業利益&純利益

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※単位:百万ドル

 

うーん、全体的に業績は横ばい感が強いです。

 

 

在庫回転日数

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※単位:日

 

今回から新しく「在庫回転日数」なるものを追加しました。

理由は「売上と照らし合わせることで商品やサービスの本当の売れ行きがわかるようにしたかったから」です。

なので次の項目でも新しく「売上高&在庫回転日数」を作りました。

 

とりあえず在庫回転日数は何なのかというと「商品の仕入れ→完売までにかかった日数」です。 

計算式は「=365日÷(売上原価÷平均棚卸資産)」です。

※平均棚卸資産は「(前年期末棚卸資産+当年期末棚卸資産)÷2」で計算。

※本当は前年期末棚卸資産じゃなくて当年期首棚卸資産なのですが、ざっくりとわかればいいと思っている&若干面倒なのでここでは期末で計算します。

 

この企業の例で言えば2018年には在庫回転日数が「132日」となっていますが、これは「2018年度に仕入れた商品をその年度のうちに完売するまで132日かかっている」ということを示しています。

つまりはこの在庫回転日数が少なければ少ないほど「仕入れ→完売」までのサイクルが速いということになります。逆もまた然り。

とりあえずこの企業の場合は毎年在庫回転日数が上がっていっているので完売までのサイクルが長くなっているということになります。

 

 

 

売上高&在庫回転日数

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※左軸:売上高(百万ドル) 右軸:在庫回転日数(日)

 

 そして売上高と在庫回転日数の比較ですが、これは簡単に分けると主に4つのパターンがあります。

 

①売上増える&在庫回転日数下がる:商売が順調で、商品が売れに売れている

②売上増える&在庫回転日数増える:商売は順調だが、商品は売れなくなっている

③売上減る&在庫回転日数下がる:商売が不調だが、商品は売れている

④売上減る&在庫回転日数上がる:商売が不調で、商品も売れなくなっている

 

①の状況は最高ですが、④の状況はデススパイラルに入っている可能性が高いです。

②と③の状況は同じようなものですが、細かく言うと②は「粗利率が高いものを売っている型」で③は「薄利多売型」です。 

 

そしてこの企業の場合はどうかと言うと、在庫回転日数は一貫して上がっていますが売上高はなんとなくデコボコしています。

なので「売上に波はあるけれども、商品の売れ行きは悪くなっている」といった感じです。

とりあえず業績は順調には伸びてはいないということは言えるでしょう。

 

 

流動比率 

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フツーです。そこまで問題はなさそう。 

 

 

自己資本比率 

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自己資本比率が徐々に上がっていっているのは良い傾向です。

 

 

ROEROA

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ROEは10%台前半で、ROAは4%前後で安定しているようです。

 

 

営業CF 

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※単位:百万ドル

 

ひとまず各年度とも「営業CF>純利益」とはなっているのでそこはOKでしょう。

 

 

実質投資CF

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※単位:百万ドル

 

 2014年のみ大きくなっていますが、あとは割と安定した支出額のようです。

 

 

実質FCF

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※単位:百万ドル

 

やっぱり2014年はお金を使い過ぎですが、その後は自由資金を残せています。

 

 

設備投資比率

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年度によって割とバラツキはありますが、少なくとも設備投資にはめちゃくちゃお金がかかる、という訳ではなさそうです。

 

 

まとめると、

 

・業績は全体的に横ばい

・利益効率は安定している

・商品の回転は悪くなってきている

・財務基盤はフツー

・経営もフツー

 

ということになります。

 

総括すると「フツーの企業」ということになるようです。

ただ商品の回転が悪くなったと言っても、売上高自体は安定しているのでそこは今後のプラス材料として捉えても良いと思います。