ラルフローレン(ティッカー:RL)
どうもこんにちは。決算書マンです。
今回はポロシャツでお馴染みのラルフローレンを取り上げます。上場してます。
余談ですが私が高校生の時に「ラルフローレンのマフラーをしていること」が一種のステータスになっていた覚えがあります。
①売上高
※単位:百万ドル
全体的な傾向としては売上高は減少傾向にあります。
②営業利益
※単位:百万ドル
営業利益は売上の落ち込み方よりも激しくなっています。
特に2017年は営業赤字に転落しています。
③純利益
※単位:百万ドル
純利益も営業利益と同様に激しく落ち込んでいます。
どうやら会計上は段々儲からなくなってきている模様。
①~③まとめ
※単位:百万ドル
やはり全体的に落ち込み傾向が見られます。
④流動比率
流動比率は200%以上をキープしていますが、手元資金は着実に減ってきているようです。
自己資本比率も下がってきています。
これでROEが上がっていたら単純に純資産と総負債との資本構成を変化させただけということになるのですが、ROEが下がっていたら利益効率が悪くなっており、それこそ段々儲からなくなってきている、ということになります。
結論としては「やはり段々儲からなくなってきている」ということになりそうです。
2018年にはROE・ROAともに2014年の3分の1程度になってしまっています。
ラルフローレンってそんなに流行りものの要素が強かったっけ?
割と生活に浸透しているものかと思っていました。
⑦営業CF(&純利益)
※単位:百万ドル
今回から営業CFと純利益を比較してみることにしました。
いちおう説明しとくと「営業CF>純利益」ならば減価償却費などのキャッシュアウトを伴わない会計上の支出のせいで儲けた額が少なく見えるだけで、実際はしっかりと稼いでいるということになります。(ただ、在庫を急激に減らした場合もこうなります。)
逆に「営業CF<純利益」ならば、見かけ上は儲かっているように見えるけれども実はそんなに儲かっていないことを示唆するものになります。(主に「在庫の増加」が影響している場合が多く、不動産会社とかはよくそういった感じになっています。)
それでラルフローレンはどうなのかというと「営業CF>純利益」となっており、なおかつ営業CFは安定している(むしろ増加傾向にも見える)ので、実際はしっかりと稼いでいることがわかります。
よって純利益がデコボコなのは主に減価償却費などの実際にキャッシュアウトを伴わない会計上の支出のせいである可能性が高いです。
⑧実質投資CF
※単位:百万ドル
2017年に入ってから設備投資を急激に絞っていることがわかります。
⑨実質FCF
※単位:百万ドル
そして売上の減少とは裏腹に手元に残る自由資金はキレイに増えていっています。
⑩設備投資比率
直近2年間では設備投資比率を落としていることがわかります。
総合的に見てみるとかなり手堅く経営されている印象を受けます。
まとめると、
・売上は減少傾向
・会計上はかなり業績が落ち込んでいる
・会計上は段々儲からなくなってきている
・財務基盤は少しずつ薄くなってきている
・だが実際はしっかりと安定して稼いでいる
・状況に応じて手堅く経営されている印象
ということになります。
良いサンプルになりましたが、このように「損益計算書上はヤバく見えるけど、実際はそこまででもない会社」というのが存在します。
アマゾンなんてその最たるサンプルです。そしてアマゾンはそのことをわからせようとしてCF計算書を決算書の最初に表示しているくらいです。(普通は貸借対照表か損益計算書を決算書の最初に表示する場合が多い)
ただ安定はしているけれども成長しているとは一概に言い難いのが現状なように思います。