スタンガンもとい、テイザー銃もとい、アクソン・エンタープライズ(ティッカー:TASR)
どうもこんにちは。決算書マンです。
みなさんは「テイザー銃」なるものを知っていますか?
いわゆる「スタンガン」というやつで、アメリカのアクソン・エンタープライズ社(元テイザーインターナショナル社)が開発したものです。
そしてアメリカ市場に上場しています。(ティッカー:TASR)
もはや身近なのかどうかよくわからないですが、興味深いと思ったので調べてみましょう。
売上高
※単位:百万ドル
売上高は順調に伸びていっています。
営業利益
※単位:百万ドル
2015年までは伸びていっていますが、それ以降は売上高の伸びと反比例して減少していっています。
純利益
※単位:百万ドル
純利益も営業利益と同じような推移を辿っています。
売上高&営業利益&純利益
※単位:百万ドル
事業規模自体は拡大していますが、利益はついていっていないようです。
在庫回転日数
※単位:日
在庫回転日数は徐々に上がっていっています。
つまりは段々売れ行きは悪くなっているか、在庫を抱え気味になっているということになります。
売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(百万ドル) 右軸:在庫回転日数(日)
売上高は右肩上がりなのですが、それに従って在庫の回転が悪くなってきています。
今後この在庫を捌けるのかどうか。
2016年に入って流動比率がガクっと下がっています。
ただそれでも手元資金は普通にある方でしょう。
自己資本比率は減少傾向にあります。
利益効率がここ5年間で着実に悪くなっていることが一目瞭然です。
2017年は2013年の6分の1程度まで利益効率が落ち込んでいます。
普通は自己資本比率が下がるとROE自体は維持か上昇しやすいのですが、自己資本比率が下がってなおかつROEも下がるのは本格的に利益が出にくくなっているのかもしれません。
営業CF
※単位:百万ドル
営業CF>純利益となっているのは良いのですが、明らかに業績が落ち込んでいることがわかります。
実質投資CF
※単位:百万ドル
投資もかなり増えていることがわかります。
これが業績低迷の原因か?
実質FCF
※単位:百万ドル
やはり2016年から自由資金がガクっと減って、2017年にはマイナスに転じてしまっています。
設備投資比率
いきなり設備投資を増やし過ぎなように思えます。
ちょっと大丈夫か?
まとめると、
・売上高は右肩上がりなので、事業規模は拡大傾向にある
・事業規模の拡大に利益がついてきていない
・商品の売れ行きは段々悪くなってきている
・利益効率も段々悪くなってきている
・財務基盤も悪化気味
・近年では設備投資を急激に増やしている
ということになります。
全体的には「大丈夫かこの企業?」といった印象です。
特に利益効率の落ち込み方がひどいです。
最近はスタンガンだけでなくウェアラブルにも手を出しているそうなので、そのせいで設備投資費がかさんでいるものと思われますが、いずれにせよ現状それが企業にとって割と大きな負担になっているようです。