アルファベットもとい、グーグル(ティッカー:GOOGL)
どうもこんにちは。決算書マンです。
今日はアメリカのアルファベット社の決算書を見ていきましょう。
「アルファベット社」と言ってもピンと来ない方もいるかもしれませんが、「グーグル」と言えばわかるでしょう。
ここ2~3年にグーグル→アルファベットに社名変更したので、こんなにわかり辛くなっている次第です。
ちなみに ティッカーは「GOOGL」。そのまんま。
では見ていきましょう。
売上高
※単位:百万ドル
売上高は順調に伸びていっています。
2017年には約11兆円を達成しています。
営業利益
※単位:百万ドル
営業利益も順調に伸びていっています。
ちなみに2017年の営業利益は約2兆9,000億円。
純利益
※単位:百万ドル
売上・営業利益ともに順調に来ていましたが、純利益は2017年に入ってガクっと落ち込んでいます。
調べたら税金でガッツリと持っていかれているようです。
売上高&営業利益&純利益
※単位:百万ドル
純利益だけ少し気になりますが、本業での利益を表す営業利益は伸びているので全体的には成長傾向にあると言って大丈夫でしょう。
在庫回転日数
※単位:日
年度によってバラツキがありますが、注目すべきはその絶対値です。
遅くとも1週間で在庫が1回転しています。
というかそもそもグーグルは在庫を持たないビジネスモデルなので「異常に速い在庫回転日数」は当たり前っちゃ当たり前なのですが。
売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(百万ドル) 右軸:在庫回転日数(日)
これを見ても何もわかりません。
何ならば2015年は在庫ゼロだし。
手元の流動性は抜群にあるようです。
資金繰りを心配する必要はほぼ無さそうです。
2017年に入って落ち込んでいますが、それでも70%以上の自己資本比率があるので財務基盤は強固だと言えます。
順調な規模の拡大とは裏腹に利益効率は低下傾向にあります。
果たして従来の利益効率を維持出来る規模感的にはピークに来てしまったのかどうか、来期の決算に注目です。
営業CF
※単位:百万ドル
「営業CF>純利益」となっているので経営は余裕がありそうです。
そして2017年の営業CFは純利益よりも2兆5,000億円ほど多いという異常事態。
実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:百万ドル
毎年1兆円くらいを設備投資+企業買収に使っているようです。
実質FCF
※単位:百万ドル
実質投資CFで1兆円を使ってもなお、手元の自由資金が約2兆5,000億円残っているというトンデモないことになっています。
このお金でアメリカの国債を買って金利が2%だとしたら、毎年金利だけで500億円入ってくるという感じです。
設備投資比率
設備投資だけで営業CFのうち概ね30%~40%くらいを使っている感じです。
意外とお金使っている印象を受けます。
まとめると、
・業績は拡大&成長傾向
・ただし利益効率の維持が今後も出来るかは不明(現在はどちらかと言うと減少傾向)
・財務基盤はかなり強固
・毎年多額の自由資金が手元に残っている
・意外と設備投資費がかかっている
ということになります。
営業利益は増え続けているので基本的にはビジネスは上手くいっているのですが、更なる成長を続けれられるかは今後も業績を追っていかないとなんともわからない感じです。