ANAP(銘柄コード:3189)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
ANAP(銘柄コード:3189)を取り上げたいと思います。
それでは見てみましょう。
★売上高
※単位:千円
売上高は年々減少し続けています。
★営業利益
※単位:千円
しかし営業利益は逆に年々改善しつつあり、直近2年は営業黒字となっています。
★純利益
※単位:千円
純利益もまた然り。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:千円
売上は減少し続けているものの、最近になって利益が出始めています。
明らかに何かが変わっているようです。
★在庫回転日数
※単位:日
在庫回転日数は年々速くなってきています。
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(千円) 右軸:在庫回転日数(日)
売上は減少していますが、在庫回転日数は速くなっているのでトントンといったところでしょうか。
★流動比率
手元流動性は割とあるようです。
自己資本比率も普通くらい。
財務基盤は問題なさそうです。
純利益の推移に従っています。
★営業CF
※単位:千円
純利益の黒字転化は2017年からでしたが、営業CFはそれより1年前から黒字転化しています。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:千円
営業CFが黒字転化してからは投資が抑えられているようです。
★設備投資比率
2017年~2018年を見ると設備投資費があまりかかっていないことがわかります。
この傾向が続くのならば事業効率は良いことになります。
★株価の推移
※単位:円
※年度末決算発表時の株価を記載
株価は黒字転化を好感してなのか2016年~2017年にかけて約3倍になっています。
その後は軟調。
★純利益の推移+来期予想
※単位:千円
※来期予想は会社予想の数値
来期予想は増益のようです。
上手く商売が回り始めたのでしょうか?
★PERの推移
※来期予想のPERは、株価=872円で計算
※年度末決算発表時のPERを記載
平均は参考にならない数値になっていますが、直近2年間で計算すると平均PERは24倍~25倍くらいになります。
そう考えると来期予想が信用出来るのならば現在のバリュエーションは割安ということになります。
★株価とPERの推移
※左軸:株価 右軸:PER
※両方とも年度末決算時のものを記載
なんとも言えない感じです。
★EV/EBITDA倍率の推移
※来期予想のEV/EBITDA倍率は、株価=872円で計算
※年度末決算発表時のEV/EBITDA倍率を記載
※一般的なEV/EBITDA倍率の適正水準は「8~10倍」(それ以下だと割安、それ以上だと割高と見做される)
※EV/EBITDA倍率を使う目的は「国や業態によって税率や減価償却費の水準が違う企業を比較するため」で、EBITDAは実際の利益を示したものではないですが、「いろんな要素を平準化して比較できる」という点では割と役に立ちます。
EV/EBITDA倍率で見ると直近2年間の平均は20倍くらいになるので、現在のバリュエーションはかなり割安に見えます。
★株価とEV/EBITDA倍率の推移
※左軸:株価 右軸:EV/EBITDA倍率
※両方とも年度末決算時のものを記載
★営業利益 予想値と実績値の比較
※単位:千円
※予想値は第二四半期時点での数値
2014年~2016年を見ると全く信用出来ないですが、それ以降はしっかりと予想を上回る数値を出しています。
現時点では何とも言えないですが、来期以降もこの傾向が続くようであれば良い感じです。
★純利益 予想値と実績値の比較
※単位:千円
※予想値は第二四半期時点での数値
純利益も同じような感じで、やはり来期以降にどうなってくるかだと思います。
まとめると、
・売上は減少傾向
・利益は出るようになっている(何かが明らかに変わっている)
・利益効率も改善傾向
・財務基盤は普通くらい
・もしかしたら事業効率は良いかもしれない
・来期予想が信用出来るのならば現在のバリュエーションは割安に見える
・来期予想は何とも判断がつき辛い
ということになります。
数年前にも決算書を見たことがあったのですが、その時の印象は「悪い意味でヤバそうな会社」でした。
理由は上場してからの純利益と営業CFの悪化具合です。
しかし今回改めて見てみると明らかに何かが変わっているような気がしてなりません。
基本的にファッションなどの「流行りもの」に関連した会社は、個人的には投資対象としては全く魅力的に映らないので、この会社もその例に漏れずなのですが、「事業構造の改革」という研究テーマとしては良いサンプルだと思います。
ヤフージャパン(銘柄コード:4689)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
ヤフージャパン(銘柄コード:4689)を取り上げたいと思います。
それでは見てみましょう。
★売上高
※単位:百万円
売上高は順調に伸びています。
★営業利益
※単位:百万円
営業利益は横ばい、というか2016年をピークに下降傾向に見えます。
★純利益
※単位:百万円
純利益もまた然りですが、こちらは横ばい感の方が強いです。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:百万円
売上だけ先行して伸びていて、利益はイマイチついてきていない印象です。
★在庫回転日数
※単位:日
2016年から在庫が発生していますが、微々たるものなようです。
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(百万円) 右軸:在庫回転日数(日)
あまり問題らしい問題は見えてきません。
★流動比率
※2017年~2018年は「流動資産・流動負債の記載なし」なので流動比率は表記しないこととします。
2017年~2018年は記載がないので推し量るしかないのですが、それまでを見ると手元流動性は普通くらいのようです。
ただし自己資本比率は徐々に下がっています。
概して財務基盤は普通くらいでしょうか。
利益効率は下降傾向です。
ROAも下がっていることから、前ほど効率良く稼げなくなっているようです。
★営業CF
※単位:百万円
営業CFは稼げていますが、概ね純利益よりも少ないようです。
ただマイナスではないのでそこまで問題ではないです。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:百万円
年度によってバラついていますが、少なくとも使い過ぎてはいないようです。
よって経営は堅実に見えます。
★設備投資比率
徐々に増える設備投資比率。
というか2018年は営業CFの少なさも相まって急激に比率が増えています。
事業効率は普通くらいに見えます。
★株価の推移
※単位:円
※年度末決算発表時の株価を記載
2014年~2017年にかけて横ばいでしたが、その後はけっこう下がっています。
★純利益の推移+来期予想
※単位:百万円
※来期予想はコンセンサス予想の数値
そして来期予想はけっこう大幅な減益予想です。
あくまでコンセンサスなのですが、この会社は営業利益だけは会社予想を出しており、それを見ても減益予想なのであながちズレていないのではと思います。
★PERの推移
※来期予想のPERは、株価=329円で計算
※年度末決算発表時のPERを記載
PERの水準は割と安定しています。
そして現在のバリュエーションはだいたい適正水準くらいのようです。
★株価とPERの推移
※左軸:株価 右軸:PER
※両方とも年度末決算時のものを記載
2016年のPER=14.89倍の時に買っていれば少しは利益が出たようですが、その後は何とも微妙な感じです。
★EV/EBITDA倍率の推移
※来期予想のEV/EBITDA倍率は、株価=329円で計算
※年度末決算発表時のEV/EBITDA倍率を記載
※一般的なEV/EBITDA倍率の適正水準は「8~10倍」(それ以下だと割安、それ以上だと割高と見做される)
※EV/EBITDA倍率を使う目的は「国や業態によって税率や減価償却費の水準が違う企業を比較するため」で、EBITDAは実際の利益を示したものではないですが、「いろんな要素を平準化して比較できる」という点では割と役に立ちます。
EV/EBITDA倍率も安定しています。
そしてやはり現在のバリュエーションはだいたい適正水準です。
★株価とEV/EBITDA倍率の推移
※左軸:株価 右軸:EV/EBITDA倍率
※両方とも年度末決算時のものを記載
こちらも2016年のEV/EBITDA倍率=8.24倍の時に買っていれば翌年には多少の利益が出たみたいですが、その後は何とも言えません。
何ならば2018年には7.13倍となっていますが、その後現在に至るまでに株価が下がっています。
★営業利益 予想値と実績値の比較
※単位:百万円
※予想値は第二四半期時点での数値
この会社は営業利益のみ会社予想を出しています。
そして会社予想は信用出来るようです。
つまりは来期はやっぱり減益しそうということです。
まとめると、
・売上は順調に伸びている
・利益は売上の伸びについていっていない
・財務基盤は普通
・利益効率は下降傾向にある
・経営は堅実
・事業効率は普通くらい
・現在のバリュエーションはだいたい適正水準
ということになります。
宮坂社長が「爆速経営」を謳ってから数年たちますが、業績は爆速で伸びていないようです。
最近だと子会社のアスクルなどの火災被害で設備投資周りが騒がしくなっていた影響もあるので、今後の進捗を注意深く見守っていこうと思います。
日立製作所(銘柄コード:6501)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
日立製作所(銘柄コード:6501)を取り上げたいと思います。
それでは見てみましょう。
★売上高
※単位:百万円
売上高はなんとなく横ばい。
★営業利益
※単位:百万円
営業利益も横ばいムードですが、2018年に入ってちょっと上がっています。
★純利益
※単位:百万円
純利益は2016年を底としてV字回復しています。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:百万円
なんとも定義し辛い感じですが、2016年~2018年にかけて売上高は減少したものの利益は増えたので良い感じには見えます。
★在庫回転日数
※単位:日
在庫回転日数はそこまで変わっていません。
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(百万円) 右軸:在庫回転日数(日)
あんまり問題はなさそうです。
★流動比率
手元流動性はギリギリの水準です。
意外とお金を持っていない。
自己資本比率は中の下といったところです。
財務基盤は概して中の下くらい。
純利益のV字カーブに従っています。
ただ絶対水準は割と低いので利益効率は良くないようです。
★営業CF
※単位:百万円
純利益はV字カーブでしたが、営業CFはしっかりと稼いでいるようです。
これは良い感じ。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:百万円
ただ毎年投資にけっこうな額を使っているようです。
割と積極的な経営方針のようです。
★設備投資比率
年々設備投資比率は下がっていますが、それでも営業CFの半分以上を設備投資費に充てているようです。
今後どうなってくるか次第ですが、現状事業効率は良いとは言えません。
★株価の推移
※単位:円
※年度末決算発表時の株価を記載
株価は概して横ばい。
★純利益の推移+来期予想
※単位:百万円
※来期予想は会社予想の数値
来期予想はけっこう大幅な減益みたいです。
★PERの推移
※来期予想のPERは、株価=3,471円で計算
※年度末決算発表時のPERを記載
PERの水準はかなり安定しています。
来期予想が正しいとするのであれば現在のバリュエーションはちょっと割高ということになります。
★株価とPERの推移
※左軸:株価 右軸:PER
※両方とも年度末決算時のものを記載
なんとなく納得の両指標の推移です。
★EV/EBITDA倍率の推移
※来期予想のEV/EBITDA倍率は、株価=3,471円で計算
※年度末決算発表時のEV/EBITDA倍率を記載
※一般的なEV/EBITDA倍率の適正水準は「8~10倍」(それ以下だと割安、それ以上だと割高と見做される)
※EV/EBITDA倍率を使う目的は「国や業態によって税率や減価償却費の水準が違う企業を比較するため」で、EBITDAは実際の利益を示したものではないですが、「いろんな要素を平準化して比較できる」という点では割と役に立ちます。
EV/EBITDA倍率も同じようにかなり安定しています。
そして一般的な尺度で見ると「直近5年間はかなりの割安水準で放置され続けている」ということになっています。
そして現在のバリュエーションはPERとは打って変わって、ちょい割安に見えます。
そこまででもないけど。
★株価とEV/EBITDA倍率の推移
※左軸:株価 右軸:EV/EBITDA倍率
※両方とも年度末決算時のものを記載
こちらもなんとなく納得の両指標の推移です。
★営業利益 予想値と実績値の比較
※単位:百万円
※予想値は第二四半期時点での数値
営業利益に関しては信用出来そうです。
★純利益 予想値と実績値の比較
※単位:百万円
※予想値は第二四半期時点での数値
ただし純利益は何とも微妙なところです。
予想純利益の推移が営業CFの実績値の推移に似てる気がします。
まとめると、
・業績は横ばいムード
・財務基盤は「中の下」といった印象
・利益効率は良くない
・事業効率は改善しつつあるものの、現状はまだ良くない
・営業CFはコンスタントに稼いでいる
・毎年投資にけっこうなお金を使っている
・現在のバリュエーションは総じて適正水準に見える
・会社予想は営業利益は信用出来るが、純利益は微妙
ということになります。
設備投資比率の推移から察するに、おそらく事業の構造改革が進んでいるのではないかと思います。
ただ利益効率を見ても事業効率を見ても取り立てて優れた感じはしないので、「異常に安くなった場合」のみ手を出すモチベーションが湧くんじゃないかと思います。
ミクシィ(銘柄コード:2121)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
ミクシィ(銘柄コード:2121)を取り上げたいと思います。
それでは見てみましょう。
★売上高
※単位:百万円
2014年~2015年にかけて売上高が約10倍になるという異常事態。
そして翌2016年には更に2倍になるという奇跡。
経営陣は笑いが止まらなかったんじゃないかと思います。
ただ2016年をピークとして徐々に売上高は減少しています。
★営業利益
※単位:百万円
営業利益もまた然り。
★純利益
※単位:百万円
純利益もまたまた然り。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:百万円
2016年が「モンストブーム」のピークだったようです。
★在庫回転日数
※単位:日
あまり見ても意味がないですが、この在庫は一体なんだ?
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(百万円) 右軸:在庫回転日数(日)
見なくても大丈夫です。
★流動比率
手元流動性は潤沢です。
自己資本比率もかなり高い。
財務基盤は強固ということになります。
利益効率は2015年をピークとして下がっていますが、ROA=20%は立派。
けども前ほど効率良く稼げなくなっているのも事実。
★営業CF
※単位:百万円
営業CFは割とマトモに稼いでいるようです。
あまり問題は見られず、といった感じです。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:百万円
投資に全然お金を使っていないようです。
自己資本比率といい流動比率といいROEといい、投資でお金を上手く使えないのならともすると株主還元を求められそうです。
★設備投資比率
2014年は営業CFが少なかったので仕方ないですが、それでも設備投資費は営業CFの内々で収めています。
そしてそれ以降を見ると事業効率が滅茶苦茶に良い商売だということがわかります。
★株価の推移
※単位:円
※年度末決算発表時の株価を記載
業績は2016年にピークでしたが、株価はそこから更に伸びて2017年にピークを迎え、そしてズルズルと下がっています。
★純利益の推移+来期予想
※単位:百万円
※来期予想は会社予想の数値
業績の下降傾向に歯止めがかかっていないようです。
アニメ展開もしているようですが、さすがに「モンスト一本足打法」ではそろそろキツくなってきているのではないでしょうか。
★PERの推移
※来期予想のPERは、株価=2,875円で計算
※年度末決算発表時のPERを記載
2014年の影響で平均はよくわからないことになっていますが、その2014年を除いて計算すると平均PERは7~8倍くらいになります。
そういう意味では現在のバリュエーションは安くも高くもない感じに見えます。
★株価とPERの推移
※左軸:株価 右軸:PER
※両方とも年度末決算時のものを記載
2017年~現在にかけて株価は半分くらいになっていますが、純利益も半分くらいになっているので仕方がないと思います。
★EV/EBITDA倍率の推移
※来期予想のEV/EBITDA倍率は、株価=2,875円で計算
※年度末決算発表時のEV/EBITDA倍率を記載
※一般的なEV/EBITDA倍率の適正水準は「8~10倍」(それ以下だと割安、それ以上だと割高と見做される)
※EV/EBITDA倍率を使う目的は「国や業態によって税率や減価償却費の水準が違う企業を比較するため」で、EBITDAは実際の利益を示したものではないですが、「いろんな要素を平準化して比較できる」という点では割と役に立ちます。
ふたたび2014年を除外して計算すると平均EV/EBITDA倍率は3~4倍くらいになります。
そう見ると現在のバリュエーションはけっこうな割安に見えます。
★株価とEV/EBITDA倍率の推移
※左軸:株価 右軸:EV/EBITDA倍率
※両方とも年度末決算時のものを記載
ただ現在のバリュエーションと同程度だった2018年はバリュートラップが発生しているようなので注意は必要だと思います。
★営業利益 予想値と実績値の比較
※単位:百万円
※予想値は第二四半期時点での数値
グラフでは2014年は「-30%」となっていますが、会社予想は営業赤字だったのが実際は営業黒字だったのでこの数字はポジティブです。
つまりは会社予想はいまのところかなり信用出来そうです。
★純利益 予想値と実績値の比較
※単位:百万円
※予想値は第二四半期時点での数値
2014年に関してはこちらも同様に予想の赤字よりも実際はマシだったということになっています。
概ね信用出来そうなのですが、2018年に未達があるので営業利益ほどではない感じです。
まとめると、
・業績は2016年をピークにして下降傾向
・財務基盤は強固
・利益効率の水準自体は高いが、年々悪くなっている
・事業効率は滅茶苦茶に良い
・投資に全然お金を使っていない
・PERで見た現在のバリュエーションはおそらく適正水準
・EV/EBITDA倍率で見た現在のバリュエーションは割安に見えるが、バリュートラップの可能性も否定出来ない
ということになります。
ゲーム業界は過去にもグリーやガンホーなど一発どでかい花火を打ち上げてその後パッとしてない会社がけっこうあります。
そういう意味ではいわゆる「一発屋の芸人さん」と同じように捉えておいた方が良いのではと思います。
一発当てられるだけでもものすごいことだとは思いますが。
バルクホールディングス(銘柄コード:2467)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
バルクホールディングス(銘柄コード:2467)を取り上げたいと思います。
それでは見てみましょう。
★売上高
※単位:千円
2016年をピークとして売り上げは減少傾向です。
★営業利益
※単位:千円
営業利益もまた然り。
落差があり過ぎる。
★純利益
※単位:千円
純利益はかなりデコボコです。
2018年なんかは営業利益を大幅に上回る純利益を稼いでいます。
持続性はなさそう。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:千円
なんとも言えない感が満載。
★在庫回転日数
※単位:日
在庫回転日数も全く一貫性がありません。
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(千円) 右軸:在庫回転日数(日)
よくわからない。
★流動比率
手元流動性はフツーにあります。
自己資本比率も割と高いです。
財務基盤は全体的には普通くらい。
純利益のデコボコに従っています。
★営業CF
※単位:千円
2016年までは営業CF>純利益で正常だったのですが、2017年から異常なことになっています。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:千円
2017年から経営方針をガラっと変えたのか?
★設備投資比率
2017年~2018年は営業CFがマイナスなので無視するとして、設備投資費は全然かからないようです。
事業効率は良い。
★株価の推移
※単位:円
※年度末決算発表時の株価を記載
問題の2017年から株価が異様にジャンプしています。
★純利益の推移+来期予想
※単位:千円
※来期予想は会社予想の数値
来期予想は赤転です。
ちなみにこの会社は業績予想を「これくらい~これくらい」というレンジで出していて
上記の来期予想数値は「会社予想の上限」となっています。
下限は-60,000千円です。 幅があり過ぎて予想の意味がない気がします。
★PERの推移
※来期予想のPERは、株価=844円で計算
※年度末決算発表時のPERを記載
うーん、よくわからないことになっています。
★株価とPERの推移
※左軸:株価 右軸:PER
※両方とも年度末決算時のものを記載
2017年にPER=171.99倍の時から株価は4倍近くまで上昇しています。
一般的なバリュエーション評価は使え無さそう。
★EV/EBITDA倍率の推移
※来期予想のEV/EBITDA倍率は、株価=844円で計算
※年度末決算発表時のEV/EBITDA倍率を記載
※一般的なEV/EBITDA倍率の適正水準は「8~10倍」(それ以下だと割安、それ以上だと割高と見做される)
※EV/EBITDA倍率を使う目的は「国や業態によって税率や減価償却費の水準が違う企業を比較するため」で、EBITDAは実際の利益を示したものではないですが、「いろんな要素を平準化して比較できる」という点では割と役に立ちます。
PERよりも一貫性のある数字が並びますが、2018年のみよくわからないことになっています。
平均と現在とを比べると「ちょい割安」に見えますが、それは2018年の異常値を加味しているので、それを除くとたぶん安くは見えないハズです。
★株価とEV/EBITDA倍率の推移
※左軸:株価 右軸:EV/EBITDA倍率
※両方とも年度末決算時のものを記載
PERとは打って変わって2017年のEV/EBITDA倍率=12.22倍の時から株価は4倍になっています。
一般的な適正水準である8~10倍には若干届いていないものの、2017年以前のEV/EBITDA倍率から考えると当時はかなりの割安感があったのではと思います。
あくまで結果論ですが。
★営業利益 予想値と実績値の比較
※単位:千円
※予想値は第二四半期時点での数値
やっぱり2017年からヘンなことになっています。
営業利益は信用出来なさそうです。
★純利益 予想値と実績値の比較
※単位:千円
※予想値は第二四半期時点での数値
純利益も信用出来なさそうです。
業績予想に幅を持たせる意味がよくわかります。
まとめると、
・売上は減少傾向が見られる
・財務基盤は普通
・2017年から経営方針が変わったとしか思えない各指標
・事業効率は良い
・現在のバリュエーションはPERでは計れないが、EV/EBITDA倍率だとおそらく割高の部類に入る
・会社予想は信用出来ない
ということになります。
たぶんテクニカル分析村の人たちはこの銘柄を使って一儲け企んでいるのでしょう。
2年で株価4倍だから確かに夢があるように見えます。
一方冷静にファンダメンタルズを見てる人はあまり手を出したくないのではないでしょうか。
というかEV/EBITDA倍率で見るとやっぱり現在のバリュエーションは割高だと思います。
クックパッド(銘柄コード:2193)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
クックパッド(銘柄コード:2193)の決算書を見てみましょう。
なおこの会社は会社予想を出していないので、「会社予想と実績値」の項目は今回は省略します。
★売上高
※単位:千円
売上高は2016年に入って急増しています。
おそらくM&Aの影響です。
★営業利益
※単位:千円
営業利益も2016年に入ってそれまでの約2倍に一気にジャンプしています。
★純利益
※単位:千円
純利益も同じような感じですが、2017年にガクンと数値を落としています。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:千円
業績自体は2015年から見ると伸びていますが、M&Aの影響が大きいと思うので実質的な成長をしているかどうかは不明です。
★在庫回転日数
※単位:日
なぞの在庫回転日数の推移をしています。
見たことない感じです。
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(千円) 右軸:在庫回転日数(日)
売上高との有意な関係性は見出せません。
★流動比率
手元流動性は抜群にあるようです。
というか2018年に入っていきなり増えています。
なんじゃこりゃ。
自己資本比率もめちゃくちゃに高いです。
どっかのバイオベンチャー並みに高いです。
クックパッドの場合はちゃんと利益を出しているので、M&A資金として上手く使えないのだったら株主還元を求められそうです。
それこそサード・ポイントとかに。
利益効率はなんとなくですが、低下傾向にあるように見えます。
ただROA=10%台は立派です。
★営業CF
※単位:千円
営業CFはしっかりと稼いでいるようです。
純利益が急落した2017年にも前年を上回る営業CFを稼いでいるのでここらへんはある程度安心。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:千円
投資額は年によってまちまちなようです。
★実質FCF
※単位:千円
2014年のみマイナスですが、それ以降は自由資金を残せています。
やっぱり余り過ぎな気がします。
★設備投資比率
設備投資費は全然かからないようです。
事業効率は良いのであとは投資でどれだけ上手くお金を使えるか。
★株価の推移
※単位:円
※年度末決算発表時の株価を記載
株価は2015年をピークとしてダダ下がっています。
★純利益の推移+来期予想
※単位:千円
※来期予想はコンセンサス予想の数値
来期予想は大幅減益です。理由は子会社に係る「のれんの減損」です。
ひらたく言えば「当初見込んでいた利益が出なさそうなので、その差額を損失として計上します。」ということです。
★PERの推移
※来期予想のPERは、株価=314円で計算
※年度末決算発表時のPERを記載
PERは2018年まではズイブンと高止まりしていたようです。
そして来期予想のPERは平均よりもズイブンと低いです。
★株価とPERの推移
※左軸:株価 右軸:PER
※両方とも年度末決算時のものを記載
「来期予想のPERが平均よりも低い」と言っても2018年の時点で相当にPERが低かったので、その二の舞になる可能性も否定できません。
何とも悩ましい状態です。
★EV/EBITDA倍率の推移
※来期予想のEV/EBITDA倍率は、株価=314円で計算
※年度末決算発表時のEV/EBITDA倍率を記載
※一般的なEV/EBITDA倍率の適正水準は「8~10倍」(それ以下だと割安、それ以上だと割高と見做される)
※EV/EBITDA倍率を使う目的は「国や業態によって税率や減価償却費の水準が違う企業を比較するため」で、EBITDAは実際の利益を示したものではないですが、「いろんな要素を平準化して比較できる」という点では割と役に立ちます。
来期予想のEV/EBITDA倍率はPERよりもえげつないことになっています。
M&Aする側じゃなくてされる側のバリュエーションになっています。
★株価とEV/EBITDA倍率の推移
※左軸:株価 右軸:EV/EBITDA倍率
※両方とも年度末決算時のものを記載
そしていわゆる「バリュートラップ」はEV/EBITDA倍率でも変わらず。
業績如何にも依りますが、本当に悩ましい状態。
★営業利益 予想値と実績値の比較
★純利益 予想値と実績値の比較
会社予想は毎回出していないので今回は省略します。
まとめると、
・業績はM&Aによって伸びているように見える
・財務基盤は超強固(事業規模に対して大量の内部留保を抱え込んでいる)
・利益効率は下降傾向
・投資(というかM&A)の成否が会社の命運を分けそう
・そういう意味では国内のクックパッドの業績は頭打ちしている可能性が高い
・設備投資費が全然いらない超効率的な事業
・現在のバリュエーションは「超割安」に見えるが、一方でバリュートラップの可能性も否定出来ない
ということになります。
2018年の9月に「これまで配当を出そうかと思ってましたが、投資にお金を使いたいので配当は出しません」としているので、やっぱり投資に本腰を入れるようです。
個人的には日本市場での稼ぎがある程度一定に保てるのであれば、無理矢理に事業規模を拡大するよりは素直に株主還元を厚くしてくれれば良いのに、と思います。
少なくともそれでEV/EBITDA倍率のバリュートラップは解消されるんじゃないかと思います。
伊藤忠商事(銘柄コード:8001)の決算書
どうもこんにちは。決算書マンです。
伊藤忠商事(銘柄コード:8001)を取り上げたいと思います。
それでは見てみましょう。
★売上高
※単位:百万円
2016年~2017年にかけて落ち込みましたが、2018年に入って復活しています。
★営業利益
※単位:百万円
営業利益は割と安定しているようです。
★純利益
※単位:百万円
純利益はどちらかと言うと右肩上がりの傾向に見えます。
★売上高&営業利益&純利益
※単位:百万円
売上高は結果的に横ばいながらも利益は増えています。
何がしかの事業の構造改革でもしたのか?
★在庫回転日数
※単位:日
ただし在庫回転日数は遅くなっています。
★売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(百万円) 右軸:在庫回転日数(日)
売上高は横ばいで在庫回転日数は遅くなっているので、何がしか問題を抱えている可能性はあります。
とは言っても微々たるものかもしれないけど。
★流動比率
手元流動性は普通です。ちょっとギリギリな気もする。
純利益の推移とよく似ています。
利益剰余金が自己資本比率にそのまま響いていそうです。
そして水準自体は低め。
財務基盤は弱めなようです。
利益効率は改善傾向に見えます。
ROEは良さげに見えますが、自己資本比率の水準を考えるともうちょっと欲しいところです。
★営業CF
※単位:百万円
純利益は右肩上がり傾向ながらも営業CFは横ばい、というか若干下がっています。
在庫回転日数の遅延と関係がありそうです。
★実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:百万円
投資は毎年営業CFの内々で収めているようです。
経営自体は堅実なようです。
★実質FCF
※単位:百万円
自由資金も毎年残せています。
ちょっとバラついているけど。
★設備投資比率
設備投資費はあまりかかっていないようです。
事業効率も割と良いようです。
★株価の推移
※単位:円
※年度末決算発表時の株価を記載
株価も右肩上がりの傾向に見えます。
★純利益の推移+来期予想
※単位:百万円
※来期予想は会社予想の数値
来期予想は増益です。
この数値が正しいとするならば、やはり業績は右肩上がりになっています。
★PERの推移
※来期予想のPERは、株価=1,982円で計算
※年度末決算発表時のPERを記載
PERは各年度でかなり安定しています。
そして現在のバリュエーションは「ちょい割安」な感じです。
そこまででもないけど。
★株価とPERの推移
※左軸:株価 右軸:PER
※両方とも年度末決算時のものを記載
2018年~現在にかけて株価の下落よりもPERの下落の傾斜がついているように見えます。
★EV/EBITDA倍率の推移
※来期予想のEV/EBITDA倍率は、株価=1,982円で計算
※年度末決算発表時のEV/EBITDA倍率を記載
※一般的なEV/EBITDA倍率の適正水準は「8~10倍」(それ以下だと割安、それ以上だと割高と見做される)
※EV/EBITDA倍率を使う目的は「国や業態によって税率や減価償却費の水準が違う企業を比較するため」で、EBITDAは実際の利益を示したものではないですが、「いろんな要素を平準化して比較できる」という点では割と役に立ちます。
EV/EBITDA倍率もPERと同じような感じです。
こちらも現在のバリュエーションは「ちょい割安」に見えます。
★株価とEV/EBITDA倍率の推移
※左軸:株価 右軸:EV/EBITDA倍率
※両方とも年度末決算時のものを記載
こちらもPERと同様です。
★営業利益 予想値と実績値の比較
※単位:百万円
※予想値は第二四半期時点での数値
営業利益の会社予想は割と信用出来そうです。
下振れしても6%程度なら個人的には許せます。
★純利益 予想値と実績値の比較
※単位:百万円
※予想値は第二四半期時点での数値
純利益は信用出来ないというほどではないですが、営業利益ほどは信用出来ません。
なんとなく20~30%くらいの下振れは覚悟しておいた方が良さそうです。
まとめると、
・売上は横ばい
・利益効率が改善し続けているため、増益基調
・在庫回転日数は遅くなっているので、ちょっとだけ問題はありそう
・財務基盤は弱め
・営業CFの水準は直近5年間で横ばい(というか若干下がっている)
・現在のバリュエーションは「ちょい割安」に見える
・会社予想の営業利益は割と信用出来るが、純利益は20~30%くらいの下振れも覚悟しておいた方が良い
ということになります。
「純利益が20~30%くらいの予想より下振れる可能性」を考慮すると現在のバリュエーションは「適正水準」に近いものになるのではと思います。