テスラモーターズ(ティッカー:TSLA)
どうもこんにちは。決算書マンです。
最近街中で見かけることが多くなっている気がするテスラモーターズ(ティッカー:TSLA)の決算書を見ていきましょう。
確かに車のデザインはカッコいい。しかし中身はどうなっているのでしょうか?
売上高
※単位:百万ドル
売上高は順調に伸びていっています。
「最近街中で見かけることが多くなっている気がする」ということの裏付けになっています。
営業利益
※単位:百万ドル
売上が順調に増えていくにしたがって営業赤字も順調(?)に増えていっています。
現状では車を売れば売るほど損をしているようです。
純利益
※単位:百万ドル
純利益も営業利益と同じように赤字が膨らんでいます。
売上高&営業利益&純利益
※単位:百万ドル
あからさまに売上が増えれば増えるほど赤字が膨らんでいます。
大丈夫か?
在庫回転日数
※単位:日
在庫の回転はなんとも言えないアップダウンを見せています。
速くなっているのか遅くなっているのかよくわからない。
売上高&在庫回転日数
※左軸:売上高(百万ドル) 右軸:在庫回転日数(日)
売上と在庫回転日数を比べてみても何だかよくわかりません。
無理矢理こじつけるならば「2015年からは売上と在庫回転日数が反比例している。ビジネスが好調な証だ!」となるでしょう。2013年と比べると話は違ってきますが。
手元流動性は割と厳しめ。
自己資本比率もかなり低い。
びっくりするほど金欠な会社のようです。
純損失なので両指標ともマイナスです。
少なくとも改善している様子はない。
営業CF
※単位:百万ドル
営業CFでの損失は純損失よりも少ないようです。
けどそもそも営業CFがマイナスなのはやばい。
実質投資CF(設備投資の売買+子会社の売買)
※単位:百万ドル
営業CFがマイナスにも関わらずしっかりと設備投資にお金を使っています。
こりゃ確かに金欠になって借金が増える。
実質FCF
※単位:百万ドル
使える自由資金はゼロ、というかマイナスです。
設備投資比率
マイナス÷マイナスでプラスになっています。
2013年以降は完全に身の丈を超えた設備投資を行っていますが、特に2017年度の設備投資の仕方は異常です。
まとめると、
・事業規模は順調に拡大している
・しかし現状は車が売れれば売れるほど赤字が膨らんでいくという事業構造になっている
・財務基盤は脆弱そのもの
・経営がアグレッシブ過ぎて怖い
ということになります。
ちなみにテスラの時価総額はフォード(こちらは利益を出している)のそれよりも大きいそうです。
つまりは市場は「テスラは将来的にフォードを超える存在になる」と言っています。
将来のどの時点かはわかりませんが、ひとまずそれまでにテスラが生き残れるかどうかが不安でなりません。